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2016年12月29日木曜日

ド・ミ・ソの単音と和音を見える化(可視化)する


ド・ミ・ソの単音、二音の和音、三重の和音をコンデンサ・マイクロフォンの感度程度(0〜±30[mV])を仮定して、マイクから出力される電圧波形をグラフにして描いた。

(1) ド・ミ・ソの和音(三重和音)

ド、ミ、ソのそれぞれ単一のサイン波を足し算(加算)すると、ド・ミ・ソの和音が作れる。

ここでは、ド(261.63[Hz]、先頭電圧10[mV])、ミ(329.63[Hz]、先頭電圧20[mV])、ソ(392.00[Hz]、尖頭電圧30[mV])の単独のサイン波が、それぞれ位相差無しの音を使った。

計算式
x(t)=V1*sin(2π*f1*t)+V2*sin(2π*f2*t)+V3*sin(2π*f3*t)
t ; 時刻 [s]

V1=10[mV], f1=261.63[Hz]
V2=20[mV], f2=329.63[Hz]
V3=30[mV], f3=392.00[Hz]

図1. ド・ミ・ソの和音(三重和音) 電圧波形

(2) ドの単音

一つの周波数の音を電圧にすると、サイン波による時間の関数で書ける。

計算式
x(t)=V1*sin(2π*f1*t)
t ; 時刻 [s]

V1=10[mV], f1=261.63[Hz]


図2. ドの音(単音)電圧波形


(3) ミの単音

計算式
x(t)=V2*sin(2π*f2*t)
t ; 時刻 [s]

V2=20[mV], f2=329.63[Hz]



図3. ミの音(単音)電圧波形

(4) ソの単音

計算式
x(t)=V3*sin(2π*f3*t)
t ; 時刻 [s]

V3=30[mV], f3=392.00[Hz]


図4. ソの音(単音)電圧波形


(5) ド・ミの和音(二重和音)

計算式
x(t)=V1*sin(2π*f1*t)+V2*sin(2π*f2*t)
t ; 時刻 [s]

V1=10[mV], f1=261.63[Hz]
V2=20[mV], f2=329.63[Hz]


図5. ド・ミの和音(二重和音)電圧波形



(6) ミ・ソの和音(二重和音)

計算式
x(t)=V2*sin(2π*f2*t)+V3*sin(2π*f3*t)
t ; 時刻 [s]

V2=20[mV], f2=329.63[Hz]
V3=30[mV], f3=392.00[Hz]


図6. ミ・ソの和音(二重和音)電圧波形


(7) ド・ミ・ソの和音(三重和音)

計算式
x(t)=V1*sin(2π*f1*t)+V2*sin(2π*f2*t)+V3*sin(2π*f3*t)
t ; 時刻 [s]

V1=10[mV], f1=261.63[Hz]
V2=20[mV], f2=329.63[Hz]
V3=30[mV], f3=392.00[Hz]

図7. ド・ミ・ソの和音(三重和音) 電圧波形 (図1と同じもの)



(8) 耳に聞こえる音の電圧式

人の耳に聞こえる音、人の声、楽器の音、雑音、その他、全ての音波を、マイクロフォン等で電圧に変換すると、20[Hz]〜20[KHz]の周波数のサイン波を足し合わせた足し算(加算)で表現できる。

計算式
x(t)=V1(t)*sin(2π*f1*t-θ1(t))+V2*sin(2π*f2*t-θ2(t))+V3*sin(2π*f3*t-θ3(t))+...+Vn*sin(2πfn*t-θn(t))

      =Σ Vi(t)*sin(2π*fi*t-θi(t)) ,
        i=1,2,...n (n≧1, nは整数)

       Vi(t) ; i 番目のサイン波の尖頭振幅電圧の時間の関数
       fi      ; i番目のサイン波の周波数[Hz]
      -θi(t)) ; i番目のサイン波の位相ずれの時間の関数[rad]
              t ; 時刻 [s]

※:なお、コンデンサマイクで音声を電圧に変換すると、耳に聞こえる音波が、電気の電圧波に変換されますが、その電圧波は耳では聞こえません。

可聴周波数領域の電圧波が、流星で発生すると、それが電波の速さで伝わるという”横浜こども科学館”さんのお話しはおそらく迷信だったと考えられます。

オーロラの見える地域や、天文家の間では、そうした耳に聞こえる電波があり、それらは光速で伝わると考えられ、オーロラの音が聞こえる、流星の出す電波の音が聞こえるという、言い伝え(伝説)があります。(これも一種の迷信と思われます。)





2015年12月23日水曜日

AM変調(電圧)信号をグラフに書く


中波AMラジオ用送信電圧波を、電圧の時間関数でグラフ化する。

電圧式 Vam={1+0.4*cos(2*π*fm*t) }* sin(2*π*fc*t) [V] 
キャリア周波数 fc = 600[KHz]
キャリア電圧 1.0*2[Vp-p]  (※1)
変調信号 fm = 1[KHz], 0.4*2[Vp-p]
変調度 0.4 = 40[%]

注意 
※1:キャリア電圧の振幅は、ここでは1.0V*2=2.0[Vp-p]に特殊化しています。この電圧は送信機増幅利得により変化します。(送信機はAM放送局で100[KW]〜500[KW]と大きな送信電力で放送されています。受信側のラジオは、受信環境で、受信電圧が変化し、遥かに小さい電圧となります。受信波形は、送信波と相似関係になります。)


変調されたAM信号(電圧)波




時間軸を拡大表示



時間軸をさらに拡大



時間軸をさらに拡大




FM・PM変調波(電圧)信号をグラフとFM・PM変調とFM・PM復調原理の見える化

1. FM変調用オリジナル信号波 


 1KHz, 2Vp-pの低周波信号をFM送信機に入力することを仮定

                                           Vorg=m*sin(2*π*f*t)), m=1, f=1[KHz]


2. キャリア周波数に加えるFM変調波信号 m=1,2, ...,50 

Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=1, f=1[KHz]


Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=2, f=1[KHz]



Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=3, f=1[KHz]



Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=4, f=1[KHz]



Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=5, f=1[KHz]


Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=10, f=1[KHz]


Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=20, f=1[KHz]


Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=40, f=1[KHz]


Vmod=cos(m*sin(2*π*f*t)), m=50, f=1[KHz]




3. FM変調波

 FM受信機 IF=10.7[MHz]で受信を仮定


FM変調波(キャリア周波数fc=10.7[MHz],  変調信号 m=10, 1[KHz])

Vfm=cos(2*π*fc*t + m*sin(2*π*f*t)), m=10, fc=10.7[MHz], f=1[KHz]
式Vm は、位相変調に見え、周波数が変化していない。再検討必要。(2016/7/20)
 
=> これは位相/PM変調です。(2020/12/11) ただし、周波数も変化しています。入力するベースバンド信号の振幅電圧が大きいほど、電圧波の周期が短くなり、周波数が上がっています。


4. FM検波回路の説明例

 4.1 日本でのFMレシオ検波動作原理の説明例

FM検波回路には幾つか方式があるが、日本ではレシオ検波回路が多く紹介されてきた。

(C) Kyocera Inc. 

上図は、レシオ検波の動作を言葉で説明しているが、時間的に変化するFM変調電波の周波数変化の成分が、いかにして、振幅電圧と周波数を、検波回路で取り出しているかの説明が無いため、それらが理解できない内容で書かれている。
殆ど同じ説明が、これまでの日本の書籍にも繰り返し、繰り返し、何度も書かれている。

現在の電子回路設計専門雑誌 トランジスタ技術 2016年 1月号も、FM検波動作の説明が同様に失敗している。

現在のところ日本の書籍やネット情報で、FM検波の原理を理解しようとしても極めて難しい状態にある。

4.2 米国USAF 1964年によるFM検波の原理説明



(C) USAF, 1964 Principle of FM demodulation

歴史を遡ること52年前、米国 USAF の教育ビデオ(Copyright by USAF, 1964)を見ると、FM検波形式に依存せずに、FM変調波から、変調信号の振幅成分と、周波数成分が、どのように抽出されているか、時間経過を伴う動画で、非常に分かりやすい説明がされていることが分かった。
(資料[3]参照)
僕の知るところと、調べた限りにおいて、この説明が一番分かりやすく優れている。

FM復調原理のポイントは次の2点である。

(1)FM電波キャリア中心周波数からどれだけ周波数が離れるかの周波数差分(Deviation)が、 (ベースバンド)変調波の振幅電圧になる。

(2)FM変調波の周波数変化速度(単位=周波数Hz)が、(ベースバンド)変調波の周波数成分になる。


これは僕が、自力で考えたFM変調検波原理を、見える化した図です。
直線的V-F特性を持つデバイスで、FM検波が可能なことを表現しました。

また、上図のFM復調原理図で、復調された信号方向からFM変調電波に矢線方向を逆に見ると、V-F変換器を使うことでFM変調器となるFM変調原理も、直ちに導かれます。


参考情報・資料

[1]MIT Opencourseware, 6.003 Fall 2011, Signals and Systems, Modulation 2,
     Prof. Dennis Freeman 

[2] Radio Electronics: Frequency Modulation Basic Principles pt1-2 1964 US Army Training Film



[3] Radio Electronics: Frequency Modulation Basic Principles pt2-2 1964 US Army Training Film


Very good explanation of FM.  Easy to understand FM principles(Recommended)

[4] FM Radio Electronics: Frequency Modulation: Basic Principles 1964 US Army Training Film


[5] 周波数変調(FM)


[6] アナログ周波数変調・復調について

[7] 直交変調を用いたFM変調器

[8] おじさん工房ーFM 復調器


[9]新原さんによるパルス・カウント方式によるFM復調方式説明資料

(C) 新原さん

[10]How To Build an FM Receiver with the USRP in Less Than 10 Minutes
https://www.youtube.com/watch?v=KWeY2yqwVA0

[11]USRP Instant SDR Kit: Great Price, Performance and "Ease-of-Use"
https://www.youtube.com/watch?v=FIBL6XoqFlM

[12]Assembling your USRP Instant SDR Kit
https://www.youtube.com/watch?v=6yh0nwQ4ebo




関連記事:

FMレシオ検波式ダイオードラジオの実験


       PM変調波電圧のグラフ(動画)

これは位相/PM変調です。(2020/12/11) ただし、周波数も変化しています。入力するベースバンド信号の振幅電圧が大きいほど、電圧波の周期が短くなり、周波数が上がっています。

改訂:
2016/3/5,6
・FMレシオ検波の日本国内説明資料追記
・USAFの説明動画からの画面ショットとFM検波図と説明の追記
・新原さんによるパルスカウント方式FM復調原理説明の追記
・USRPを使ったFMラジオ(SDR, Software Defined Radio)を10分でソフトウェア定義する方法追記
2016/3/9
・僕が考案したFM検波原理図を追記
2016/4/2
・僕が考案したFM変調原理説明文を追記
2016/6/16
・自作したFM復調原理.gif動画アニメ追記
2016/7/20
・式 Vm は、位相変調に見え、周波数が変化していない。
・同式の講座[1]内容を再検証のこと。
・文献[7] 直交変調を用いたFM変調器 の式と図の加算、乗算に不一致あり。
僕の計算ではこの直交変調器ではFM変調電波の式が導けない。

2020/12/11
・自作したPM変調電圧波のグラフ追記

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