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2017年4月6日木曜日

従来式2段コレクタ変調によるAM変調信号の歪み現象を数式で表現する

従来式2段コレクタ変調によるAM変調信号の歪み現象を数式で表現する

ドライバ段TRの出力電圧式:V1(t)[V]
V1(t)=Vc*sin(ωc*t)*{Vdc+A*x(t)} …(1)


Vdc=12[V]
A=ドライバ段TRアンプの利得[倍]
ωc=2*π*fc ; 搬送波(キャリア)の角周波数[rad・Hz]
fc=50x10^6[Hz]
x(t)=Σ bi*cos(ωi*t) , here { i=1,2,3,・・・N; N≧1} ベースバンド信号


図1.  2段式コレクタ変調によるAM変調回路のブロックダイアグラム
(2段目の乗算器で歪みが発生する。)


ファイナル段TRの出力電圧式:V2(t)[V]
V2(t)= V1(t)*{Vdc+B*x(t)}
       = Vc*sin(ωc*t)*{Vdc+A*x(t)}*{Vdc+B*x(t)}
       = Vc*sin(ωc*t)*{Vdc^2+Vdc*B*x(t) +Vdc*A*x(t)+A*B*x(t)^2}
       = Vc*sin(ωc*t)*{Vdc^2+Vdc*(A+B)*x(t)+A*B*x(t)^2} …(2)

変調トランスの中間タップと終端タップで、
AF信号電圧は、トランスのコイル巻数に比例すると仮定すると、
B=2*A …(3)
x(t)を特殊化し、単一サイン波と仮定する。
x(t)=Vs*cos(ωs*t) …(4)


式(3),式(4)を、式(2)に代入すると、
V2(t)=Vc*sin(ωc*t)*{Vdc^2+Vdc*(A+2*A)*Vs*cos(ωs*t)+2A^2*Vs*cos(ωs*t)^2}
       =Vc*sin(ωc*t)*{Vdc^2+Vdc*3A*Vs*cos(ωs*t)+2A^2*Vs^2*cos(ωs*t)^2}    
=Vdc^2*Vc*sin(ωc*t)
+Vdc*3A*Vc*Vs*sin(ωc*t)cos(ωs*t)
+2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t)cos(ωs*t)^2


ここで、
Vdc^2*Vc*sin(ωc*t) は一定振幅のキャリア波,
Vdc*3A*Vc*Vs*sin(ωc*t)cos(ωs*t) = Vdc*3A*Vc*Vs*(1/2)*{sin((ωc+ωs)*t)+sin((ωc-ωs)*t)
これらは、それぞれ AF信号 ωsのUSB波電圧とLSB電圧


2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t)cos(ωs*t)^2 は歪み変調波で、
=2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t){ 1-sin(ωs*t)^2}
=2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t){ 1-(-1/2)*{cos(2ωs*t)-cos(0)} }
=2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t){ 1+(1/2)*{cos(2ωs*t)-1}}
=2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t){1+(1/2)*cos(2ωs*t) -1/2 }
=2A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t){1/2+(1/2)*cos(2ωs*t)}
=A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t){1+cos(2ωs*t)}
=A^2*Vc*Vs^2*{sin(ωc*t)+sin(ωc*t)*cos(2ωs*t)}
=A^2*Vc*Vs^2*{sin(ωc*t)+(1/2)*sin((ωc+2ωs)*t)+sin(ωc-2ωs)*t)} ....(5)


式(5)は、AF信号の2倍高調波歪みであるところの、
A^2*Vc*Vs^2*(1/2)*{sin((ωc+2ωs)*t)+sin(ωc-2ωs)*t)}  ...(6)
式(6)の電圧歪みが発生したことを意味する。


式(6)は、理想乗算器が2段接続された場合なので、
C級アンプでは、式(6)は、さらに大きく歪む。


おおまかには、AFの2倍高調波歪み波と、
振幅電圧が変化するキャリア変化成分
A^2*Vc*Vs^2*sin(ωc*t)
が加算されて現れる。

すなわち、(困ったことに)キャリア周波数の振幅もベースバンド信号電圧の2乗に比例した電圧成分で揺れる。


しかし、実際のファイナル段で、コレクタ電流 Icが飽和してしまうと、その揺れが見えなくなり、変調が浅い現象が出るかもしれない。


ここでの計算は、電圧式のみを計算しており、コレクタのRFC負荷=不明値の抵抗成分で3W出力を仮定した電圧降下を計算する必要がある。


設計の基本思想として、アナログ乗算器を2段にするという発想は、本来は、あってはならない設計ミスである。
ベースバンド信号の2倍高調波成分が、変調帯域内に現れることになり、音質は劣化してしまう結果を招く。


改善策として、ドライバ段TRにだけにコレクタ変調をかけ、ファイナル段は、リニアアンプ動作させるのなら、問題は少なくなる。
しかしそれでも、コレクタ変調方式自体が、アナログ乗算動作特性品質が良くないので、製品レベル品質として、いかがなものか、十分納得のいく不具合となる。

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Rev 0.1: Apr.10, 2017 図1. 従来式2段コレクタ変調方式のブロックダイアグラム追加

2016年6月28日火曜日

The principle of frequency conversion by the Analog multiplier (アナログ乗算器による周波数変換の原理)

The principle of frequency conversion by the Analog multiplier


Following description is how the frequency conversion occurs by the Analog multiplier based on Math.


sin(A±B) = sinA*cosB ± cosA*sinB …(1)


cos(A+B) = cosA*cosB - sinA*sinB …(2)’
cos(A-B)  = cosA*cosB + sinA*sinB …(2)’’


(1), (2)’ and (2)’’ are known as formulas of trìgonométric(al) functions.


From (1), re-write (1) to,
sin(A + B) = sinA*cosB + cosA*sinB …(1)’
sin(A - B)  = sinA*cosB -  cosA*sinB …(1)’’


(1)’ + (1)’’ then,
sin(A+B)+ sin(A-B) = 2*sinA*cosB …(3)


From (3) then,
sinA*cosB = (1/2)*(sin(A+B)+ sin(A-B)) …(4)




Define A and B as follows,  
A ≡ ωc*t, B ≡ ωs*t …(5)


and re-write ωc and ωs to
ωc=2*π*fc, ωs=2*π*fs  …(6)


then (4) becomes
sin(ωc*t)*cos(ωs*t) = (1/2)*(sin(ωc*t+ωs*t)+ sin(ωc*t-ωs*t))
                             =(1/2)*( sin((ωc+ωs)*t)+ sin((ωc-ωs)*t) ) …(6)


Define amplitude of sin to Vc and cos to Vs here.
Then (6)*Vc*Vs becomes
{Vc*sin(ωc*t)} * {Vs*cos(ωs*t)} = (Vc*Vs/2)*(sin((ωc+ωs)*t)+ sin((ωc-ωs)*t)) …(7)


Re-write (7) by definition of angular frequency by (6).


{Vc*sin(2*π*fc*t)} * {Vs*cos(2*π*fs*t)}
= (Vc*Vs/2)*{sin(2*π*(fc+fs)*t)+ sin(2*π*(fc-fs)*t)} …(8)


This means multiplying  sine wave  (frequency=fc, amplitude=Vc)
and cos wave (frequency=fs, amplitude=Vs)
generates
the frequency (fc+fs) sine wave, (fc-fs) sin wave,
and their amplitudes become (Vc*Vs/2).


Add (2)’ and (2)’’ then get
cos(A+B) + cos(A-B) = 2*cosA*cosB
then,
cosA*cosB = (1/2)*(cos(A+B)+cos(A-B)) … (9)
from the definition of (5), (9) becomes
cos(ωc*t)*cos(ωs*t) = (1/2)*(cos(ωc*t+ωs*t)+cos(ωc*t-ωs*t))
                             = (1/2)*( cos((ωc+ωs)*t) +cos((ωc-ωs)*t)) ) …(10)


Apply (9)*Vc*Vs, then (9) becomes
{Vc*cos(ωc*t)}*{Vs*cos(ωs*t)} = (Vc*Vs/2)*( cos((ωc+ωs)*t) +cos((ωc-ωs)*t)) ) …(11)


Re-write (11) by definition of angular frequency by (6).
{Vc*cos(2*π*fc*t)}*{Vs*cos(2*π*fs*t)}
= (Vc*Vs/2)*( cos(2*π*(fc+fs)*t)) +cos(2*π*(fc-fs)*t)) ) …(12)


This means multiplying  cos wave  (frequency=ωc, amplitude=Vc)
and cos wave (frequency=fs, amplitude=Vs)
generates
the frequency (fc+fs) cos wave, (fc-fs) cos wave,
and their amplitudes become (Vc*Vs/2).


Reference and related documents :

[1] Analog multiplier / RF mixer reference
乗算器(ミキサー、周波数変換回路) 参考文献

[2] Deference between heterodyne phenominon and beat phenominon

日本国内における (周波数変換/ヘテロダイン現象)と (ビート現象) 教育内容の誤り

http://ji1nzl-official.blogspot.jp/2016/06/blog-post.html


(C) Noboru, Ji1NZL Jun.21, 2016

Rev. 0.1; Corrected some mistypes on the Figure. Jul. 5, 2016
Rev. 0.2; Corrected some mistypes on the Figure. Sep.19, 2016
Rev. 1.0; Added related documents and reference. Sep.26, 2016

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2015年10月24日土曜日

オペアンプ差動回路で周波数変換はおこるか?

トランジスタやFETは、入力に周波数の異なる2高周波信号を入力すると、周波数変換された信号が現れることがスーパーヘテロダイン式ラジオ等でも良く知られています。
(これは動作条件を適切に設定することで1石でも乗算回路動作が起こることを事実証明しています。(ただし乗算の性能品質はあまりよくありませんが。))

一方、オペアンプは差動増幅演算なので、乗算演算ができません。
このため、周波数変換動作は発生しないはずです。

実際に周波数の異なる2つの高周波電圧を差動増幅式オペアンプに入力したら何が起こるでしょうか?


上図では、2MHzと1.5MHzを入力し、出力に0.5MHzまたは3.5MHz成分が現れるか調べました。
結果は、理論通りの動作で、周波数変換動作は起こりませんでした。

楽器のギターの弦を2本鳴らしてチューニングをとるとき、そのうなりの音を聞きながらうなりが無い澄んだ音になるようにした経験を持つ人は多いと思いますが、オペアンプでは、このような”うなり”とか”ビート”と呼ばれる空気の振動で起こる現象は起こりませんでした。

(従来まで(現在でも)、ラジオや電気の専門書ではミキサー回路の動作説明には、この空気中の”うなり”現象が説明にさかんに使用されてきています。

しかし現実の電気回路のミキサー回路では、アナログ乗算回路の電気的位相角度回転現象が起きていることで異なる2種類の周波数電圧波成分が発生するのに対し、空気中の音波に見られる”うなり”現象は、実は、音波の重ねあわせ現象で発生しており、両者を同一の物理現象とは考えにくいことが、上記のシミュレーションや理論からも分かりました。)


乗算器・ミキサー回路についての補足情報:

乗算器としての周波数変換器(ミキサー)の機能と概念

日本国内では電気回路、ラジオ・通信機関連の専門書の書籍が多数出版されてきたそうですが、ラジオ内部に使われているミキサー回路が乗算器回路であることを今までうまく説明してきていないように思えます。

僕が高校生の数学I初期、虚数が出てきた時は、大変残念なことに、「虚数は実際には存在しない数字」と習ってしまいました。この僕達の重大理解ミスは先生方へ与えられた教育に関する法律(おそらく教育指導要領)の間違いがおおもとの原因だったと知ったのはだいぶ後でした。この日本の教育文化が、いかに現在まで電子回路設計技術の遅れを引き起こしているか、この教育指導ミスが引き起こしてきたあまりにも長年の普遍性を思うと、その重大な結果はたいへんに残念です。(先生がたが女将にものが自由に言えない様子が伺えます。)

ギルバートセル乗算器が発明された年は随分古く(1968年)、この時既に、欧米では、乗算器が複素数平面上の交流ベクトルを回転させる概念が知られていたと考えられます。ところが、僕がラジオ専門誌を読みだした1970年ごろから今現在も、ミキサーが乗算器と説明されたことは無く、周波数変換器、ミキサーという用語が、何回も何回も、繰り返し繰り返し使われており、複素数平面上の交流電圧を乗算するときの位相角度回転の概念が書かれた書籍を未だ見たことが無いのです。

(この乗算器の複素数電圧ベクトル回転の概念を知らないと、周波数変換の原理は一生理解できない重大な状況に陥ります。)

こうした専門書籍に関しても、非常に長年(半世紀以上)の電子回路設計を失敗させてきた過失責任はあまりにも重いと考えられます。思考停止し成長が止まり、情報が時代遅れとなっている専門書籍を繰り返し読んでいても得るものは残念ですが無いかもしれません。僕達は、これから改善を急ぐ必要があるように思えます。

スーパーヘテロダインラジオがいつ発明されたのが僕は知りませんが、現在でも未だに、トランジスタ式スーパヘテロダイン式ラジオのミキサー部には、ギルバートセル型乗算器は使われていません。

信じがたいことながら、メーカや専門誌を信じ僕らがトランジスタで長年苦労してきたコレクタ変調AM送信機も、ギルバートセル型乗算器を使用すれば、それこそ驚くほど簡単に高品位のAM変調が実現することが、実に今頃(2015年9月)になって確認されました。
(国内ではトリオ社が低電力変調実装は通信機TS-600が最初でしょうか。)

なぜ、このように日本だけが知に対する不遜な状態に陥ってしまったのか、あまりにも長い間の設計ミス、その過失責任の重みを深く反省しなければならないように思います。

世界を変えたのは、DBM ICの発明でしょうか?(SN76514がその初期製品?)

(DBM ICは日本では東芝製だけ? あるいはかろうじてJRCかな?
これらも特許回避はできたのかな? 
この水準はあまりにも情けないように感じます・・・Orz。 )

参考文献:

乗算器(ミキサー、周波数変換回路) 




2015年10月14日水曜日

乗算器(ミキサー、周波数変換回路) 参考文献

乗算器(ミキサー、周波数変換回路) 参考文献

MUX DBM Multiplier IC products
HFA3101
SN76514N
MC1496G/P
TA7358P
SN16913P
SA602, NE602
SA612, NE612


ミキサ回路の設計


ギルバートセル乗算回路


Digital RF技術の基礎
東工大 大学院理工学研究科 松澤 昭さん
http://www.ssc.pe.titech.ac.jp/publications/2008/matsu/matsu_MWE_081123_print.pdf
通信機デジタル化の動向
P43-59 実際のミキサーはスイッチで電流経路を切り替えることで実現する





















アナログ乗算器と周波数変換の原理・計算式(Copyright by 東工大さん)

乗算器実装例 KX3 SDR通信機のプロックダイヤグラム 51頁


電子回路基礎 新原 盛太郎さん
各種FM復調方式あり 9.35 9.36 式


アナログ集積回路の基礎知識 
群馬大学 小林 春男さん




電子工学用 数学の基礎知識


フーリエ変換他
ラプラス変換で「微分方程式を解く」方法


RLC過渡現象をラプラス変換で解く方法


RL直列回路などの過渡現象の解き方


直流のRL回路やRC回路、ラプラス変換を使用した過渡現象の解き方


高校数学の基礎問題