[概要]
従来式BJT トランジスタを使ったAMコレクタ変調回路は、マイナス変調や、
現象が発生しやすいことが実験的に知られている。
この課題を解決する手段として、「ファイナル・
ジスタに浅く変調をかけ、
別記事では「2段式コレクタ変調」の計算式に従う場合、
ことを示した。
この計算結果をより高精度に数値化するため、
について、
ここでは、同じ課題の存在と、
数値計算でも再確認でき、
合わせて、
上の解決できない課題の存在を立証
1 一段式 終段コレクタ変調回路のAM変調特性と歪み特性の計算
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図1.1 (一段式)終段コレクタ変調 広帯域FFT(対数表示) |
振幅変調を浅く抑え、
は1KHzのなめらかなサインカーブに見える
広帯域で見たスプリアスは比較的少ない。
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図1.2 (一段式)終段コレクタ変調 狭帯域FFT(対数表示) |
一見奇麗に見える浅いAM変調波でも、キャリア近傍周波数を、
BJT TRが、理想的アナログ乗算器として動作すれば、
皆無になるが、現実のBJT TRでは、
実現できない。
BJT TRの非直線増幅特性が、
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図1.3 (一段式)終段コレクタ変調 狭帯域FFT(対数表示) 変調の深さとサイドバンドが広がり-1 |
図1.3のように、パラメットリック解析して、キャリア近傍の周波数のスペクトラムを見ると、
変調が深いほど、ベースバンド高調波のサイドバンドが広がるスプリアスの広がりと
歪みの電圧レベル上昇がわかる。
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図1.4 (一段式)終段コレクタ変調 狭帯域FFT(対数表示) 変調の深さとサイドバンドが広がり-2 |
2 二段式 終段コレクタ変調回路のAM変調特性と歪み特性の計算
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図2.1 2段式コレクタ変調 広帯域FFT(対数電圧表示) |
AM変調波は、出力電圧変調波(緑)の谷が深くなり、
しかし、
ここで、
より深くなるが、
歪みが大きくなる。
この方式には、「アナログ乗算器を2段直結する」
する。
アナログ乗算器を2段直結すると、二段目のアナログ乗算器で、
高調波が発生し、その結果、
このため、原理的に、
広帯域周波数で見たFFTでは、
成分はアンテナからはバンドパス特性により大きく減衰
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図2.2 2段式コレクタ変調 狭帯域FFT(リニア電圧表示) |
キャリア近傍のスプクトルをみると、
見られ、
高調波歪み成分の存在は、
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図2.3 2段式コレクタ変調 狭帯域FFT(対数電圧表示) |
図2.3は、前の図2.1、図2.2と同じ過渡解析で、
電圧を、
キャリア近傍のスプクトルをみると、
対数表示により、高調波歪み成分の存在がよく見える。
第二高調波2KHzは、基本ベースバンド1KHzに対し、-
FFTには、キャリア周波数周辺に、
見られる。
この歪み特性は、
こうした歪みを許容できる簡易な用途、
しれない。
この用途に適用できる判断は、
判断結果は、
従来までの二段式コレクタ変調は、
使う場合は、
3 実験による検証
実験によるシミュレーションの確からしさの確認には、
し、
するほどスプリアス歪みの増大特性を立証できる。
まりにも長期の(
判断すると、
(理屈でできると分かれば、実験をする価値があるが、
と、
妥協策として、ここでは、既に過去の実機実験で、
た。
・既に世の中の過去の実験例で、
ンジスタに置き換える発想による、
・製品 RJX-601 では、1W送信モードではプラス変調になり、
変調で変調信号が浅く聞こえる実験事
・実機実験: 2SC696 - 2SC517 C級バイアスアンプの実験では、すべてマイナス変調と
なり、
・実機実験: 2SC696 - 2SC517 でAB級バイアスアンプの実験では、
変調となるが、最大出力は2Wを大きく下回り、
ある。
・AB級バイアス電流調整、実験中に過大なコレクタ電流が流れ、
恒久故障に至った。
・実験による損害金額が大きく、
した。
・代替方式として、真空管S-
・代替方式として、
なくAM変調とDSB変調がかけられることを実験で確認した
・理論的に不可能と予測計算される方式は、
できるので、
脱出できる。
また、
[※1]USでは、3~
これは良好なアナログ乗算器特性があり、
SN76514N,SA612,
であることは、
国内では東芝、
[※2]日本では家電メーカがRJX-601で同方式を採用、
TRIO/Kenwood社がTS-
終段コレクタ変調式の製品は無くなり、
(通信機業界では、事実上、
家電メーカは通信機産業から撤退。
した。
[※3]一方、国内の通信工学、
まま、
一般趣味人らが、技術発展からとり残されたが如く、
知識と先入観、
いる事例が続いている模
4 まとめ
・AMコレクタ変調について、
グ乗算器に近似できない非線形増幅領域について、
である。
・
に置き換えようとする設計思想は、
再現性良く起こるので、この設計思想は、
あったと推定される。
参照できる。それらの記事と過去の書籍には、
・一段式コレクタ変調は、浅めの変調では歪みが少ないが、
スタがアナログ乗算器に近似できない非
・二段式コレクタ変調は、一段式コレクタ変調に比較し、
られるが、
を線形に維持できない歪が見られ、
予測し、
・C級アンプがAM変調送信機に使えるという国内の定説は、
ついて、
また、
AM変調電圧の計算式 V(t)=Vc・sin(ωc*t)*{Vd+*x(t)}
に対し、論理的不具合を起こす考え方となっている。
なぜこの定説が繰り返されるのか、その原因は、
いるが、
れば、
と測定による理論の立証主義が、
しれない。
Rev.0.1: May, 25, 2017
図1.3,図1.4 と説明追加:サイドバンド・スプリアスの広がりと変調度の関係説明