2016年10月30日日曜日

アナログスイッチによるAM復調回路とダイオード検波の性能比較・見積もり(暫定版)

アナログスイッチ (74VHC4066 等)を使用したAM復調回路(検波回路)と、ショットキー・ダイオード使用したAM復調回路(検波回路)について、

(1) IQ信号AM復調回路
(2)プロダクト検波回路
(3)ダイオード検波回路(旧名称:ピーク・ディテクタ)

をLTspiceにより、設計段階での、性能見積もり・比較を行いました。




















図1:過渡解析シミュレーション結果



結果:
(1) アナログスイッチを使ったプロダクト検波方式は、計算上、従来のダイオード検波回路と同等以上の復調感度が得られる。

(2)アナログスイッチを使ったプロダクト検波方式は、計算上、従来のダイオード検波回路に見られる高調波歪みが無くなりより良い音質が得ることが期待できる。

(3)IQ信号AM復調回路は、I信号、Q信号、それぞれ直交関数の関係にある復調信号を、加算合成した信号を得られる。

課題:
(1)ここでアナログスイッチを使った単独または片側だけのプロダクト検波方式では、受信したAM変調波のキャリア信号と同期させる同期検波機能を持たせていないが、同期機能をもたせれば、位相ずれの歪みをキャンセルできる

図1中のI信号電圧、Q信号電圧をそれぞれ2乗して、平方根をとると、その値は、計算上、受信AM電波の位相が時間的に変化しても、その変化をキャンセルできるようです。

この位相同期処理にはDSPやCPUでの信号処理が必要ですが、音質が改善し、伝播経路上の位相変化フェーディングをキャンセルする効果が期待できそうです。(近日公開予定)

また、I信号電圧、Q信号電圧は、時間に関する直交関数の関係にあるので、別の「直交電波の加算現象」に書いた原理に従うと、加算することで、周波数が同じで、振幅が重ねあわせで大きくなり、位相が一定だけずれた信号が得られる可能性があります。(現在検討中)

(2)IQ信号AM復調回路、プロダクト検波回路ともに、局部発振周波数のドリフト、または、送信機側のキャリア周波数のドリフトにより、音調がずれ、音楽の音調がずれて変なふうに聞こえる現象発生が予想される

この課題を解決するには、送信機側のキャリア周波数のドリフト、及び、受信機側局部発振器側の周波数ドリフトを可能な限り0に近づける必要がある。

(3)IQ信号AM復調回路は、アナログ回路またはDSP信号処理で、平方根演算で実現できるが、場合によっては、I信号またはQ信号の片側だけの復調された低周波ベースバンド信号を低周波アンプで増幅したほうが、回路が簡素になり、ノイズレベルも下がる可能性がある。


参考資料:
[1]「海峡の風」さんサイト記事「同期検波」(Copyright by 海峡の風さん)



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2016年10月23日日曜日

直交(電波)信号の加算現象


引用動画[1]を参考にして、周波数10.7MHzの位相が90度ずれた(直交する)2波の正弦波電波がアンテナに受信されると、周波数が同じで、振幅が大きくなり、位相がずれた正弦波電波に合成される現象が起こることをグラフ上で見える化してみました。




上記グラフは動画[1]の計算説明通りに、式(1)により一般化できることがわかりました。

...(1)



アンテナで、同時に受信された複数の電波電圧は、加算で表現できるという基礎理論は、資料[2]を参考にしました。


実験による検証方法:

方法(1) ダイポールアンテナを適切な高さに設置し、受信機に接続。
  
送信地点1:
適当な周波数(例50MHz)の周波数でキャリア信号(正弦波)電波を送信する。

送信地点2:
送信地点2で、送信地点1と同一周波数でキャリア信号(正弦波)電波を送信する。

受信地点〜送信地点1の距離と、受信地点〜送信地点2の距離の差が、位相差90度になるように位置を調整する。

送信地点1、送信地点2で、時刻を精密に合わせ、同一時刻で送信を開始する。

受信地点で、式(1)で計算された計算値と、受信波電圧の実測値を比較し、一致するか否かを確認する。

方法(2) spiceで、直交関数信号となる正弦波を、オペアンプによる加算回路に入力し、出力値を計算。計算結果が、式(1)と一致するか否かを確認する。


Reference:
[1]Amplitude Phase form 1,2,3
https://www.youtube.com/watch?v=fNuxiNGjDpY
(Copyright by DaveAcademy and Mr. Youtube)

[2]MIT OCW 6.003 Signals and Systems,  "Modulation 1"
(Copyright by Prof. Dennis Freeman, MIT)


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2016年10月2日日曜日

適応型フィルタを使ったノイズ・キャンセル実験の紹介

Windows95発売の翌年に実験した適応型フィルタのノイズ・キャンセル実験の写真です。


上の写真が、FMラジオのザーという雑音に埋もれたサイン波と、雑音をフィルタで除いた後に出力されたサイン波です。

入力信号:
(1) FMラジオのザーという雑音に埋もれたサイン波
(2) FMラジオのザーという雑音

出力信号:
(3)適応型フィルタを通過した信号=サイン波

下の写真は、一番下が、時々刻々と特性を変化させる適応フィルタの利得:周波数特性です。
ここでは一種の自動学習機能がDSP上で動き、フィルタがどのような特性になるかは全く予測できない不思議な動きをしました。

この当時から脳神経細胞の動きを真似しようとする話が進んでいました。
この時はDSPはアセンブラはあってもC言語コンパイラが無く、アセンブルした機械語のDSPサブルーチンをCallしました。
その後すぐDSP用最適化Cコンパイラが出てきました。

通信機に実装されているノイズリダクション処理(NR処理)は、NMSアルゴリズムという、かなり歴史あるものが使われているようです。
UK/EU/USがこの方面はずっと進んでいて、自分の遅れを痛感・反省し、追いつきたいと思います。

参考文献:
[1]マルチレート信号処理 貴家仁志著 (株)昭晃堂 出版 ISBN4-7856-2012-9


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2016年10月1日土曜日

LC Tuning frequency calculation by Javascript (Test version: Worked OK)



Calcurate tuning frequency of LC circuit f = 1/2π√LC





Tuning Frequency Calculation f = 1/2π√LC

L (indectance)[H] example. 0.1e-6 when 0.1[uH]

C (capacity)[F] example. 20e-12 when 20[pF]