2016年2月27日土曜日

BJTトランジスタ, FET, 真空管アンプ動作設計法のレビュー

日本では、BJTトランジスタ、FET(電界効果トランジスタ)、真空管アンプの設計教育がうまくいっていなかったらしいことと、そうした教育文化を現在も継承していることがわかってきた。




この図は、USAF(Copyright 1961)教育ビデオからの引用である。遡ること実に55年前である。僕を含め、読んでいる人は殆ど生まれてもいない時代に、USAFでは負荷線(Loadline)を使用したトランジスタ小信号増幅の設計方法が上手にわかりやすく説明されているのがわかった。

経緯は不明であるが、結果的に日本ではこのトランジスタ増幅回路の負荷線を使用したアンプ設計教育がうまくいっていなかったようである。

ここでトランジスタは、コレクタ電流が飽和する領域で動作させ、負荷抵抗両端から、電圧出力を得ている。
ところが、どういうわけか、Vce=0V近辺のコレクタ電流Icの立ち上がり部分の領域が、”飽和領域”という用語が未だに使われているこの領域ではグラフが示す通り、コレクタ電流は、Vce増加に対して直線的に増加しておりコレクタ電流は飽和していない。この領域は、乗算器に似た特性で動作するらしいこともわかる。
(どうも到底、真空管にはかないそうにないようです。)

一方、アンプとして動作させる領域は、コレクタ電流の増加がVce増加に対して非常に小さくなる飽和動作をしているが、ここには、”活性領域”というような用語が現在も使われている。この領域が本来は”コレクタ電流の飽和領域”である

このコレクタ電流がほぼ飽和している領域では、いくらコレクタ電圧 Vce を増加させても、そのコレクタ電流はほとんど変化しないので、コレクタ変調をかけても、AM変調が浅くなり、うまく乗算器動作しなかったのは、当たり前の結果なのであるが、どういうわけか、現在でもそれが理解されていないことがわかってきた。

世界はその後、トランジスタ等価回路を使ったアンプ設計に入ったらしいが、結果的に日本では、その導入がうまくいかないまま、現在まで来ているらしい。




これは、USAF(Copyright 1963)の真空管アンプ動作説明のビデオからの引用である。
何を今更と思われるかもしれないが、日本では、この真空管動作がFETとよく似ていると書籍等に書かれて来ているが、実際は違うのがわかる。

この図では、リニアアンプとして動作させる領域は、グリッド電圧の直線立ち上がり部分であると書かれている。
すなわち真空管アンプは VCVS(Voltage Controlled Voltage Souce)電圧制御電圧源である。

これに対し、FET(電界効果トランジスタ)アンプでは、上図に対応させるとSaturarion point (プレート電流飽和点)以降の(ドレイン)電流飽和領域が、アンプ増幅に利用されている。
今更ながら大変困ったことであるが、FETアンプは、VCCS(Voltage Controlled Current Source)電圧制御電流源で、真空管アンプの動作とは本質的に異なる動作をしている。

残念ながら、日本では、真空管アンプ、BJTトランジスタアンプ、FETアンプ、いずれも設計教育が失敗したままの状態が続いているのがわかって来た。

おそらく、その記事を読んだ方も、まさかそんな馬鹿なことがあるはずない、と思うのではなかろうか・・・。
僕自身もこの教育失敗の経緯は全く知らないのですが、現状の結果はこうした状況のようですよ。
この状況を克服し、世界を目指したいと思います。


関連記事・資料
[1]小信号トランジスタアンプを負荷線で設計する失敗例に学ぶ
http://ji1nzl-official.blogspot.jp/2015/11/5v40db.html

[2]交流トランジスタ等価モデルによる小信号トランジスタアンプの設計
http://ji1nzl-official.blogspot.jp/2015/11/blog-post_21.html


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