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2015年9月23日水曜日

聞こえなかった組み立て式ラジオ・キット【学研 科学】

1. 学研の科学誌 小学六年生 付録のゲルマニウム・ラジオ 

(写真:引用はインターネットGoogle画像検索から。引用として掲載。)

小学六年生の時、学研社の”科学”誌にゲルマニウム・ラジオ(英語:Crystal Radio)の付録号がありました。1ヶ月前に次の号の付録予告があり、この付録の号が到着するのを心待ちに胸をワクワクさせていました。

到着次第組み立てたのですが、放送局が受信されることは、とうとう最後までありませんでした。
再現性に難があり、そもそもがキットの設計ミス、と現在では考えています。
このラジオの難しいのはLC同調が難しい構造にあります。

①バリコンは(僕の記憶によると)2枚の金属版の間にポリビニールの薄い絶縁袋をはさめて、そのビニル袋の中を一枚の金属板をスライドさせる構造でした。

この構造では正確で安定した静電容量を持たせることは困難と思っています。当時、既にポリバリコンがあったのでそれを部品とすべきではなかったか、と思います。

➁スパイダーコイル
 これは手巻きですので、コイルのインダクタンス値にばらつきが出てしまいます。当時バーアンテナが部品として売られていたので、そのほうが再現性、感度ともに良好なものとなる、と思います。

小学6年生の知識と思考の全力を尽くして、僕は必死でこのラジオで放送を受信しようと毎日頑張ったのですが、とうとう最期までラジオ放送は受信されませんでした。

やったこと(の記憶)

(1)アンテナを長〜く引き回した。

高感度のアンテナが重要ということで、エナメル線、ビニール線、とにかく長く、高く引き回しました・・・が、聞こえませんでした。

(2)アースを接地した。

庭に穴をほって、買ってきた釘(くぎ)を地中に埋めて、ラジオのアース側へ接続しました。

(3)VHFテレビのアンテナのフィーダー線の片方を、ラジオにつないでみました。

結局、このラジオは、放送局が何も聞こえませんでした。


次の手:

2.  スーパーヘテロダイン・ラジオ 8石キット組み立てへの挑戦

僕と友達の子供らに大人気だった近くの貸本屋・模型店さんが店じまいという話で、大人気の閉店セールがありました。スーパーヘテロダイン・ラジオ8石キットが半額になり、約4000円弱で購入できました。

これは当時の僕の1年分?のおこづかいに相当するもので、両親のためにも、僕の命運をかけた挑戦になりました。(当時の大学初任給は4万円以下?)
ところが、このラジオも放送らしきものを受信する場合も稀にあったのですが、受信感度が非常に悪く、ウー、ピー、ギャーと鳴っていて、結果は最悪でした。

父の大切に持ち運びしていたナショナル社のポータブルラジオを内緒で分解して、どのような配線になっているかも調べました。
配線を真似て、はんだめっきをはんだごてでやってみましたが・・・(NG)(;_;)。

このラジオキットも高額ではあったものの、今になって考えると設計不良品であったと考えています。当時の僕にはその原因を測定器で測るとか、不具合原因を分析・解析計算したりして、設計上の不良原因を見抜く力がありませんでした。
両親には、高額なおこづかいを無駄にしてしまい、自責の念で一杯でした。

3. ホーマー 二石レフレックス・ラジオ キット組み立てへの挑戦

中学一年になると、閉店した後、新装開店したその模型店で二石レフレックス・ラジオがそれほど高くない価格で買えました。(本当は閉店ではなかった。^^)
これは、はんだづけを終えると無調整で全く難無く放送を受信できました。アンテナ無しでTBSラジオや文化放送を毎日楽しく聞きました。

同じく中学1年に、初歩のラジオ誌の広告にある通信販売で、サトー電気さんから部品を買うことを覚えました。少額定額小為替というものが郵便局に売っていて、それを同封すれば、高価な現金書留を使わなくても普通郵便で部品を購入できることを知ったのでした。

その後、FMワイヤレスマイクの挑戦へ進み、見えない電波の不思議さの虜となり、たくさんの電気回路を自作しました。

最初は初歩のラジオに掲載されている回路図が読めず、回路図に合わせて部品を配線するやり方がわかりませんでした。

友達が回路図が読めると言っていたので、自分が読めないのはいけないとあせって、必死で回路図の読み方を自分で独自に考えました。
誰も周りに教えてくれる人がいなかったというか、就職後も今でもず〜とそうなのですが・・・。

4. ゲルマラジオへ再挑戦

この時僕は若干スキルアップしていて、ゲルマラジオなどどうでも良くなっていました。

部品がだいぶたまってきていて、ありあわせのバリコンとバーアンテナを使ってSD34か1N60か忘れましたが、空中配線でバーアンテナの周りの部品配線を行うと、難なく放送が受信され、受信できてあたりまえという感覚でした。(おそらく中学3年時。)

ところが近年になって、spiceという優れた開発ツールが、現実の回路の動作を極めて高精度に計算で再現し、パソコン画面で結果が見られる状況となり、当時のゲルマラジオ、スーパーヘテロダインラジオを実現しようとすると、特にスーパーヘテロダインラジオがうまく実現できないことを知りました。

そこで、再度、設計手法を根本から見直し、設計手法を再構築する必要性があるという課題意識を持つに至りました。

現在では、特に国内の場合、数学、ハードウェア設計、電子工学教育の立ち遅れは先進国の仲間入りが難しいのではないか?という危機感を持つに至り、このまま何もしないと国内の電子産業は消えて無くなる、なんとか立て直しをしたい、と個人的には思います。(ソフトウェア設計はそこそこうまく行っていたと思っていましたが、やはり世界を見るとかなり遅れているようです。)

僕がこうした古いが現在でも多く使われている回路へこだわるのは、おそらくその古い時代から、ただひたすらに膨大な時間とコストの浪費を伴う試行錯誤に陥り、論理的思考を避け、設計手順を何も知らずに、部品定数をあてにならない書籍情報と経験を信じ、理論的に考えれば成功する見込みの無いものに対し、長期間の無駄な実験な実験を繰り返す結果に陥っていた国内の設計文化を改善したい思いがあるからです。

あまりににも長すぎた自分の失敗経験と、今だに誤りが繰り返され一向に改善されない国内の多くの主流専門書籍と、ネット上の論理ミスの膨大さに衝撃を受け、僕も含めて反省する必要があると思ったのです。

何故米国ではspiceが1970年代に開発されていたのに、日本で僕達はいったい何をやっていたのだろう、何をするべきだったか、生徒・学生は何を教わるべきだったか、先生方は何を教えるべきだったか、何を教えられなかったか、どういう視点や展望が足りなかったのか、これから何をすべきか等々・・・。






2015年9月12日土曜日

異常動作するスーパヘテロダイン・中波ラジオ/spiceで再現できる異常動作するラジオ

エミッター部にOSCコイルをおいて発振回路へ中波ラジオ電波を入力し、IFT 455KHzへ変換するスーパヘテロダイン・中波ラジオをLTspiceで実現しようとしました

しかし、これが異常動作し、動作するための設計手法および回路の解が求まりません

現在のところ試行錯誤法で解を探していますが、設計手法が不明で、回路定数の計算法も不明です。
決め手は、コイルの構成法にありそうですが、それがどうしてもわかりません
計算で求める方法がわかりません。)

以下、異常動作例です。いずれもラジオとして機能していません。

(1) RF増幅が不調、OSCも発振しない例



(2) OSCが期待周波数で発振しない例


 IFT 同調周波数は455KHzを目指しましたが、密結合コイルのIFTは容易には期待周波数に同調しません。コイルの構成法が非常に難しいです。


(3) これでもか・・・でもだめ。


 OSCが正常に発振しないので、spiceのサイン波電源で代用するも、発振してしまい、お手上げです。


調べた結果、以上の回路の歴史は古く、かなり年代物のようです。
ネット検索するとPNPトランジスタ時代の回路が出てきました。

2SA101が電流増幅率約30ともあり、比較的近年生産中止になったと聞く2SC1815の高性能トランジスタとはかなりの差がある一方で、動きはするものの、その設計法は現在でも確立されていないのかもしれません。
上記の回路は、その年代物のラジオ方式と同一で、トランジスタを置き換えたものでした。

このスーパーヘテロダインラジオの不具合問題は、まさかとは思ったのですが現在でも継続して発生していることが判明しました。このラジオキットの方式由来と思われる具合事例が現在でも多数報告があるのがわかってきました。([1][2][3])

現在市販されているラジオキットでも、放送は受信できても、低域のボツボツ・・・という低周波発信音、同調時のピーというビート音が聞かれ、利得過剰、異常発振が起こり不安定な動作が見られます。[2]

周波数特性が上がり、hFEが高くなった現代のトランジスタ応用には向かないような回路設計を思わせるものもありました。[3]

調べたところギルバートセル型乗算器は時代を遡及する実に1968年に海外で既に発明されていますが、そうしたアナログ乗算器[4]を使用するミキサー回路が現在でも使用されていない共通点が見られます。(これはショックでした。)

僕が小学校6年に買った(ついに完成しなかった)ラジオキットと同じものを持っている人がいるのをgoogle検索で見つけました。[5] 
このバリオームの位置、PNP TRの個数8石、IFTの個数3個+OSCコイル1個、現在は無いトランス式4石AFアンプ、すっかり使われなくなったカーボン抵抗(現在はDIP品は金属皮膜抵抗、またはSMDチップ抵抗に置き換わっている。)・・・すべて記憶している画像と一致しました。
こうしたラジオキットは現在では骨董品としての価値が高まり、高価な値段でオークションで取引されていました。

このラジオ方式とそっくりの回路構成をとる真空管式ラジオの回路図[6]をネットで見つけました。ここで書いた方式上の課題は、相当昔から続いているのがわかってきました。

幸い今日(Oct.17, 2015 )、上記スーパヘテロダインラジオ方式をとる動作確認済回路のspice解が求まりました。[7]


参考にした資料(References):(引用用資料)

[1]チェリー トランジスターラジオの修理 CK-606のトラブル退治


[2]チェリー CHERRY CK-606 6石 スーパー ラジオ キット

https://www.youtube.com/watch?v=nJkBiXJLb2k

[3] チェリー KM-88 8石トランジスタ AMラジオキット 回路図


[4] ギルバートセル型乗算器を使ったAM変調送信機 (追記:Sep.27, 2015)

[5] ACE製 6石 スーパー ラジオ キット (追記:Oct.17, 2015)

[6] このラジオ方式とそっくりの回路構成をとる真空管式ラジオ
(Google画像検索より引用, 設計者不明)
(画像は著作権で保護されている場合があります。)

[7] スーパヘテロダインラジオ方式をとる動作確認済回路のspice解 一例



Revision:
2016/10/29 文章推敲、本文と引用資料を分離

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