2015年9月12日土曜日

異常動作するスーパヘテロダイン・中波ラジオ

エミッター部にOSCコイルをおいて発振回路へ中波ラジオ電波を入力し、IFT 455KHzへ変換するスーパヘテロダイン・中波ラジオをLTspiceで実現しようとしました。

しかし、これが異常動作し、動作するための設計手法および回路の解が求まりません。

現在のところ試行錯誤法で解を探していますが、設計手法が不明で、回路定数の計算法も不明です。
決め手は、コイルの構成法にありそうですが、それがどうしてもわかりません。
(計算で求める方法がわかりません。)

以下、異常動作例です。いずれもラジオとして機能していません。

(1) RF増幅が不調、OSCも発振しない例



(2) OSCが期待周波数で発振しない例


 IFT 同調周波数は455KHzを目指しましたが、密結合コイルのIFTは容易には期待周波数に同調しません。コイルの構成法が非常に難しいです。


(3) これでもか・・・でもだめ。


 OSCが正常に発振しないので、spiceのサイン波電源で代用するも、発振してしまい、お手上げです。


調べた結果、以上の回路の歴史は古く、かなり年代物のようです。
ネット検索するとPNPトランジスタ時代の回路が出てきました。

2SA101が電流増幅率約30ともあり、比較的近年生産中止になったと聞く2SC1815の高性能トランジスタとはかなりの差がある一方で、動きはするものの、その設計法は現在でも確立されていないのかもしれません。
上記の回路は、その年代物のラジオ方式と同一で、トランジスタを置き換えたものでした。

このスーパーヘテロダインラジオの不具合問題は、まさかとは思ったのですが現在でも継続して発生していることが判明しました。このラジオキットの方式由来と思われる具合事例が現在でも多数報告があるのがわかってきました。([1][2][3])

現在市販されているラジオキットでも、放送は受信できても、低域のボツボツ・・・という低周波発信音、同調時のピーというビート音が聞かれ、利得過剰、異常発振が起こり不安定な動作が見られます。[2]

周波数特性が上がり、hFEが高くなった現代のトランジスタ応用には向かないような回路設計を思わせるものもありました。[3]

調べたところギルバートセル型乗算器は時代を遡及する実に1968年に海外で既に発明されていますが、そうしたアナログ乗算器[4]を使用するミキサー回路が現在でも使用されていない共通点が見られます。(これはショックでした。)

僕が小学校6年に買った(ついに完成しなかった)ラジオキットと同じものを持っている人がいるのをgoogle検索で見つけました。[5] 
このバリオームの位置、PNP TRの個数8石、IFTの個数3個+OSCコイル1個、現在は無いトランス式4石AFアンプ、すっかり使われなくなったカーボン抵抗(現在はDIP品は金属皮膜抵抗、またはSMDチップ抵抗に置き換わっている。)・・・すべて記憶している画像と一致しました。
こうしたラジオキットは現在では骨董品としての価値が高まり、高価な値段でオークションで取引されていました。

このラジオ方式とそっくりの回路構成をとる真空管式ラジオの回路図[6]をネットで見つけました。ここで書いた方式上の課題は、相当昔から続いているのがわかってきました。

幸い今日(Oct.17, 2015 )、上記スーパヘテロダインラジオ方式をとる動作確認済回路のspice解が求まりました。[7]


参考にした資料(References):(引用用資料)

[1]チェリー トランジスターラジオの修理 CK-606のトラブル退治


[2]チェリー CHERRY CK-606 6石 スーパー ラジオ キット

https://www.youtube.com/watch?v=nJkBiXJLb2k

[3] チェリー KM-88 8石トランジスタ AMラジオキット 回路図


[4] ギルバートセル型乗算器を使ったAM変調送信機 (追記:Sep.27, 2015)

[5] ACE製 6石 スーパー ラジオ キット (追記:Oct.17, 2015)

[6] このラジオ方式とそっくりの回路構成をとる真空管式ラジオ
(Google画像検索より引用, 設計者不明)
(画像は著作権で保護されている場合があります。)

[7] スーパヘテロダインラジオ方式をとる動作確認済回路のspice解 一例



Revision:
2016/10/29 文章推敲、本文と引用資料を分離

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