Noboru, Aoki, Ji1NZL
(1) パソコンのサウンドカードから、I,Q信号を受け、電波 5MHzを送信する。
方式:
パソコンのサウンドカードのステレオラインアウト信号から、ステレオ片側信号をI信号として入力。同様に、サウンドカードのステレオラインアウト信号から、ステレオの別片側信号をQ信号として入力。
入力したI,Q信号を、HC4066アナログスイッチに入力、同時に同じ4066アナログスイッチに位相が90度シフトした5MHzクロック信号を入力。
I,Q信号はHC4066ミキサで5MHz台の変調信号へ変換します。
アナログスイッチHC4066は、クロック信号5MHzでスイッチングするので、クロックの立ち上がり、立ち下がりの瞬間に、パルス性の細かいノイズが発生する可能性が見られます。
HC4066のバイアス電圧2.5Vをインダクタ100uFを使用した場合、そうしたパルス性ノイズが発生する可能性が示されました。
(2) ノイズ対策
その問題を解決する方法として、100uH インダクタを抵抗に変えたところ、ノイズが大きく低減しています。Mixerで発生するスプリアスを除去するために、バンドパスフィルタを更に付加しました。
(3)ノイズ対策の効果
これら2つのスプリアス低減効果は大変有効に機能し、綺麗な送信出力のサイン波電波を得ました。
(3-a)局部発振クロック信号源を4相式FlipFlop回路に交替させました。
(3-b) 送信信号電圧を時間軸拡大
綺麗なサイン波となって、SSB信号として送信電波が生成されています。
(4) 受信方式
5MHz電波を受信し、パソコンのサウンドカード I, Q信号を生成、パソコンへ送り込み、信号処理させます。
この回路(受信フロントエンド部)は、5MHz電波を受信し、HC4066アナログスイッチへ入力。同時に同じHC4066アナログスイッチに90度位相のずれた5MHzクロック2相信号を入力、オペンプLPFを介して、I,Q信号を生成。
そのI,Q信号をパソコンのサウンドカードのステレオラインイン信号へ入力します。
パソコンが信号処理を実行します。
2つのオペアンプLPFからは、位相が90度ずれた2相の信号が生成されています。
この図は、受信する5MHzサイン波電波、局発5MHzのクロック波 2相信号を時間軸を拡大したものです。
この図は、受信する5MHzサイン波電波、局発5MHzのクロック波 2相信号を時間軸を拡大せずに見たものです。
90度位相のずれたI,Q信号がオペアンプLPFから出力されています。
以上のように、I,Q信号を合成したSSB送信波生成、SSB復調受信ともうまくいっています。
実機でも綺麗な音質でパソコンからSSB受信信号が出力されることを確認しました。
(従来の市販通信機よりも大変綺麗な聞きやすい音質です。)
(補足説明)
シミュレーション環境作成と未知のノウハウが必要で、ある程度の工夫を独自に考え出す必要がありました。
5MHzを使用するとパルス信号の計算がきりのいい時間幅になるので、実験のためにこの周波数を使用しています。
応用では、かなり広範囲の長波、中波、短波、VHFでの応用が可能のようです。
音質が大変綺麗な出力ができることと、パソコンの信号処理ソフトウェア次第で、様々な電波形式の変調、復調へ応用が大きく広がります。
I,Q信号処理は、組み込み式マイコンボードで構成すれば小型のSDR(Software Defined Radio)通信機が実現できます。
付録:
実回路での動作実験例
7MHz バンド アマチュア無線のSSB受信例-2
7MHz バンド アマチュア無線 SDR 受信用フロント・エンド部 実装・製作例
7MHz バンド アマチュア無線 SDR / PSN方式SSB 送信動作シミュレーション例
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