2015年10月29日木曜日

「電子回路で観測される分岐現象」の動画を見て

「電子回路で観測される分岐現象」の動画を見て
僕の反省の日々

「電子回路で観測される分岐現象」/ (C) Youtube

僕は、アルバイトでやっとさ買ったPC-6001(約13万円)のプログラムをラジオカセットテープに録音して、(AFSK 1200BPS)カセットテープをラジカセで再生すると、この動画の51秒あたりの音のようなものが聞こえていました。

何度も失敗した後、独自の方式で、それをFM電波でアナログ伝送すると、受信側FMラジオには送信したプログラムが完全にエラー無しに復読され、プログラム伝送実験がはじめて成功しました。

難しかったのは、

(1)パソコンが出すノイズの影響を取り除いてデジタル変調電波を送信すること。
(2)受信側では、パソコンの出すノイズを取り除いて、エラー無しで、デジタル信号を復調解読すること。

これら両者の両立。

プログラムを電波で遠方へ送るのは最初にやりたかったマイコン実験なので、成功時はたいへん感動しました。はやめに出版社に実験結果記事を送るも長い間保留、書籍記事に発表されたのは1985年。掲載まで実に4年もかかりました。


1985年、この時、米国では既にHDLCデジタル通信(エラー訂正、リトライ手順付き)が実用化されており、電波でプログラムやデータを送れるTNC(Terminal Node Controller)も発明され、世界中で大ヒット。インターネット普及よりずっと早く、世界のアマチュア無線家らは世界中を電波でつなぐパソコン通信がはじまりました。(AFSK 1200BPS/ AX.25 プロトコル) 日本でもタスコ社(もっぱら冗談でタコスと呼ばれていました。)のTNCが大ヒットし、430MHz帯でパソコン通信ネットワークが出来ました。
その電波によるデジタルネットワークでは、電子メール、掲示板、プログラムアーカイブ(バイナリデータファイル)が使えました。(SSL/TLSを除く今のインターネットでできる機能の殆ど)この時、携帯電話はまだありませんでした。


まもなく、日本初のアマチュア無線衛星 FUJI (JAS-1)打ち上げが、H-I ロケット最初の打ち上げで成功。人工衛星 FUJI/JAS-1は、本体衛星(大きく重い鏡のような球体)との相乗りで地球周回軌道にのり、世界ではじめてデジタル衛星通信をPSK 1200BPSパケット通信で実現しました。

日本初のアマチュア無線衛星 FUJI (JAS-1)打ち上げ H-I ロケット初号機

僕は、このデジタル衛星に情けなくも接続だけできましたが、通信が衛星マイコンと接続後、通信内容の表示が先に進まない現象に悩んでいました。
(改良した人工衛星軌道計算プログラム、通信アンテナ衛星軌道追尾と、ドップラーシフトは自動周波数制御(デジタルAFC)追尾に成功。後にその原因はTNC(タコス社)にバグがあることがわかりました。
(バグは自分では直しようが無い。))

ところが50億円もの巨費を投じた衛星通信技術は、まもなくマイクロサットと呼ばれる弁当箱サイズのデジタル通信衛星がESAアリアンロケットからいちどにいくつも打ち上げられ、これらおどろくほど安価な衛星信号はFUJI/JAS-1よりずっと強力で安定でした。日本は50億円もかけたものの何か仕事のしかたを誤ったのかも・・・。

日本(NASDA/JARL)はあっという間に米国AMSAT/ヨーロッパ宇宙事業団ESAに追いぬかれました。
このころだったか、米国の技術者がNASDAに来たときに言った言葉が報道されました。

 ”米国の30年前に匹敵するような熱意を感じた。素晴らしい。”
(暗に日本の技術は30年遅れてますよ。(頑張ってね。)・・・とのアドバイス。)

H-Iロケットは2段式ロケットで、2段目切り離しとアポジモータ点火のタイミングは火縄式(ひなわしき)という確実ではあったものの原始的な技術的に遅れた安全策?がとられました。
この時、欧米では既に電波での電子式誘導制御が行われていました。

どうも日本では失敗してもその成果を自己満足・自画自賛する傾向が見られます。
誰も褒めてくれないと自分で褒めるしか無くなるのかしら? そうしないと予算ももらえない? 成果が出ない研究開発に誰がお金を出すのとか?? 
研究成果の殆ど出ていないISSから抜けるに抜けられない?
実際には世界から文明がかなり遅れていることを知らないでいることが多いような気がします。

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