2015年10月25日日曜日

百円ラジオをLTspiceで設計・再現する

百円ラジオをLTspiceで設計・再現する
Noboru, Ji1NZL Oct.25, 2015


1. このラジオの特徴


概要:
(1)極めて安価、小型、百円ショップで2000年過ぎ頃発売され人気商品として大ヒットした。
(2)その後は、ラジオマニアでは壊して遊ぶ人が多くいたが、実用に長く使った話を聞かない。


2. 性能
(1)高感度、アンテナ無しでAMラジオ放送は十分な感度で聞ける。
(2)音質は好みもあるが、あまり良いとは言えない。
(3)一時期使っても、長期利用には向かないかもしれない。
(利用上の不満が出てくる。)


LTspiceによる設計の実例
(最適化はできていません。設計上の多くの課題があります。
端子名AF-OUT重複-> 出力信号成分悪化)

(改訂版: 端子名AF-OUT重複を訂正。->出力波形ほぼ正常)




3.回路の特性

(1)3Vの低電圧で動作できる。
(2)高感度。
(3)音質は良いとは言えないが、使うことは可能。
(4)旧式のスーパヘテロダインラジオなので簡単に設計・製造できると思われがちだが、実際の設計は非常に難しい。
(5)回路の少しの変更で簡単に異常動作する回路になってしまう。その修正がとても難しい。
(6)OSCコイルとIFTコイル部品のモデル化が難しい。
OSCの発振条件と、ミキサー回路の周波数変換動作を両立させる解を求める方法が知られていなかった。
(7)OSCコイルとIFTコイル部品が既に安定動作が約束されたものが市場にあったので、このラジオが出来たが、もし既存のOSC/IFTコイル部品がなかったら、このラジオの設計は失敗した可能性が極めて高い。
(8)ベース帰還型OSCが100円ラジオの原型回路だが、その動作が安定しないので、エミッタ帰還型OSCに回路変更した。(ベース帰還型OSCの動作再現はここでは現在できていない。
(9)スーパーヘテロダイン式ラジオの設計手法は、現在まで確立していなかったが、このことは殆ど知られていないと考えられる。同設計手法は(難しいために)できないまま放置されてきたと考えられる。
(10)この回路方式は電気的に絶妙のバランスで動いているが、回路間の電気的依存関係が強く、ちょっとの変更で全く動かなくなる非常にsensitiveな特性を持つ。
(11)現在の市販スーパーヘテロダイン式ラジオキットは、設計方法がわかっていない影響からか、未だに異常発振するものが市販されている。(量産時の再現性も検討されていない可能性もある。)
(12)IF AMPは一段増幅では無く、最低2段はとらないと周波数変換してハイゲインをとれるスーパヘテロダイン方式をとるメリット・効果は薄れてしまうので、それならばRF 一段やレフレックス方式で十分で、設計もすっきりする。


他、たくさんのことが新たに分かりましたが、時間の都合で省略します。

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