単電源動作対応 オペアンプによる位相シフト回路の設計
Noboru , Ji1NZL
オペンプによる位相シフト回路をネット上で見つけました。
日本で既に特許申請されていました。
2電源式 オペアンプを使った90度位相シフト回路を構成し、LTspiceでシミュレーションしてみました。
ここでの過渡解析は、約16KHzのサイン波を入力し、90度位相をシフトした信号を出力させたものです。
オペアンプには、比較的高い周波数まで使える NJM4558 を採用しました。
このように、90度位相をシフトした信号が綺麗な歪の少ないサイン信号が得られることが確認されました。
この位相シフト回路の優れた点は、このように、非常に広い周波数帯域で、利得が0dBの平坦な利得が得られ、かつ、中心周波数 f=1/(2*π*R*C) [Hz] の周囲で、0度〜360度の位相シフトを得られることがあります。
SDRのMixerや、位相変調、位相復調等、様々な応用が考えられます。
この回路は、上記、位相シフト回路を単電源(+12Vのみ)で動作できるように構成したものです。(※1)
多くのオペアンプ応用回路は、単電源で利用されるので、便利に使えると思います。
多くのオペアンプ応用回路は、単電源で利用されるので、便利に使えると思います。
ただし、単電源動作にすることで、利得が減るので、その利得を調整できるように抵抗による利得調整機能を加えて、構成しました。
これは、今後の課題になりますが、利得補正した分、広帯域で平坦だった利得特性が平坦でない周波数領域が現れます。
AGC機能を加えれば、この課題も解決できる可能性があります。
※1:
仮想グランドはVcc/2[V]であれば良いので、図のようにOPアンプ一個を使ってまでVcc/2[V]を得るのは得策ではないと思います。(単電源用に設計されたOPアンプ採用が賢明です。)
参照した教育記事(LTspiceを扱った国内のサイト)の案内に従った結果、こうした結果を招きました。
抵抗分割で仮想グランドはVcc/2[V]を得るほうがコスト的に有利ですし、教育サイトや高価な専門誌であっても、その教育案内を鵜呑みにすると、こうした設計ミスに近い結果を招くので十分にご注意願います。
またAC電圧だけでなく、DC電圧も増幅できるのがOPアンプの電気的特性の優位点ですので、元々±Vcc動作で設計されたOP アンプを単電源で動かすのは設計思想として適切ではないのではないか?、とも思います。
反省課題として、記事は修正せずにおきます。
ここで参照した教育サイトは、設計上の不具合や事実と異なるシミュレーション結果が、その後も次々に発見されています。
そうしたプロの技術者や先生方も、過去の誤った電子工学教育を受けたネガティブな影響もあると思われます。
現在出版されている専門書でも、多くの理論ミス、設計ミスが見られ、修正がなかなか難しい状況があるのかもしれません。
(学問としての基礎的見直しも必要かもしれません。特にDC特性だけで半導体特性を論じている書籍は、誤った知識を得る結果になる、と僕は考えています。
(例:BJTトランジスタの電位差は0.6〜0.7[V]として、DC計算だけで交流・低周波アンプを設計している場合などは、世界標準から外れたアバウトすぎる、実務には使えない設計法と考えています。)
AC/RF特性(過渡計算方法、AC位相利得計算)を数式で記述し、実計算できる理論書の出版や設計手法の確立が重要課題と思います。)
1/11, 2017
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