不運にも差動アンプの利得がマイナスになり、アンプ動作しない計算結果になったため、回路の設計変更を試み、設計変更後、アンプ動作する計算結果を確認しました。
1. 設計変更後の差動アンプの特性
図1.1 差動アンプの過渡解析 例(設計変更後) |
図1.2 差動アンプのDC解析 例(設計変更後) |
図1.3 差動アンプのAC解析 例(設計変更後) |
図1.1〜図1.3に設計変更後の差動アンプ 一例の過渡解析、DC解析、AC解析結果を示します。
次の2点の設計変更で、差動アンプとして動作できるように特性を改良できました。
(1)入力を2つのTRのベース間で、差動回路を構成するように変更
(2)2つのTRの共通のエミッタ側に定電流源 500uA に交替(エミッタ抵抗の電流値で近似しました。)
2. 設計変更前の差動アンプの特性
次の2点の設計変更で、差動アンプとして動作できるように特性を改良できました。
(1)入力を2つのTRのベース間で、差動回路を構成するように変更
(2)2つのTRの共通のエミッタ側に定電流源 500uA に交替(エミッタ抵抗の電流値で近似しました。)
2. 設計変更前の差動アンプの特性
図2.1 差動アンプのDC特性 (設計変更前-1) |
図2.2のようにTRのそれぞれの出力利得がマイナスになり、かつ、利得が同じにならず、おおきくバランスを崩しました。
図2.3のように過渡解析でも、利得はマイナスで、アンプは増幅せず、減衰器として動作することがわかりました。
3. 設計変更
(1)差動入力回路の変更
図1.1の回路のTRのそれぞれのベースに、差動入力が加わるように、入力信号を、抵抗33kΩを使い、配線を変更しました。
図2.3 差動アンプの過渡解析+FFT特性 (設計変更前-1) |
図2.3のように過渡解析でも、利得はマイナスで、アンプは増幅せず、減衰器として動作することがわかりました。
3. 設計変更
(1)差動入力回路の変更
図1.1の回路のTRのそれぞれのベースに、差動入力が加わるように、入力信号を、抵抗33kΩを使い、配線を変更しました。
図3.1. 差動アンプのDC特性 (設計変更後-1) |
図3.1のDC特性は、図1.1と大きく変化しました。
OUT2側はよさそうですが、OUT1側の対称性が崩れ、問題があるようです。
図3.2. 差動アンプのAC特性 (設計変更後-1)
差動入力の回路変更#(1)で、プラスの利得が現れるようにアンプ特性が改善しました。
(図3.2)
図3.3. 差動アンプの過渡解析結果 (設計変更後-1) |
図3.3に示すように、アンプとして増幅が起こるように特性が改善しました。
(2)エミッタ抵抗を定電流源に変更
設計変更内容と結果を#1に記載しました。
前記の(1),(2)の回路変更により、正常に動作するアンプが構成できることがわかりました。
追記:
ネット上には、
(A)差動アンプで、エミッタ抵抗を2個のTRで共通のものを使っている回路
(B)差動アンプで、エミッタ抵抗ではなく、定電流源を使っている回路
が見られます。
方式(A)でも増幅は起こりますが、性能は(B)が有利という結果になりました。
人がミスをするのは避けられないと思います。
ミスをしない人はおそらくいないので、これはしょうがないと思います。
一方、特に教科書、専門書籍、教育サイト記事、教育(Tutorial)動画のミスは、多くの人が間違いをそのまま受け継いでしまうので、できるだけ早めに修正することが重要と感じます。
この記事も間違いが見つかったら、早期に修正します。
(2)エミッタ抵抗を定電流源に変更
設計変更内容と結果を#1に記載しました。
前記の(1),(2)の回路変更により、正常に動作するアンプが構成できることがわかりました。
追記:
ネット上には、
(A)差動アンプで、エミッタ抵抗を2個のTRで共通のものを使っている回路
(B)差動アンプで、エミッタ抵抗ではなく、定電流源を使っている回路
が見られます。
方式(A)でも増幅は起こりますが、性能は(B)が有利という結果になりました。
人がミスをするのは避けられないと思います。
ミスをしない人はおそらくいないので、これはしょうがないと思います。
一方、特に教科書、専門書籍、教育サイト記事、教育(Tutorial)動画のミスは、多くの人が間違いをそのまま受け継いでしまうので、できるだけ早めに修正することが重要と感じます。
この記事も間違いが見つかったら、早期に修正します。
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