[概要]
リングモジュレータによる低電力式AM変調回路の性能をLTsp
リングモジュレータは長年・長期に製品に採用された実績もあり、
その性能の高さは、
計算でも、製品実績の示すと同様に、スプリアス抑制には、
さらなる性能向上には、ギルバートセル乗算器によるDBM回路、
LTspiceによるシミュレーション計算で、
1. LTspiceによるリング変調回路の過渡解析とFFT解析
図1.リングモジュレータ低電力式AM変調器と過渡解析, |
図1.に、リングモジュレータを使用した低電力式AM変調器を、
V(DSB-OUT) 緑色波形には、変調率 100%の綺麗なAM変調波電圧が得られている。
2. 回路動作
図1.
2.1 リング変調器
アナログ乗算器としてその近似的乗算動作ができるショットキー・
(ダイオードは、1N60、ショットキーダイオード,
2.2 リング変調器は、次の入力ポートと出力ポートを持つ。
入力ポート:
(1) キャリア信号(サイン波/正弦波): Vosc
周波数5MHz, ピーク最大/最小電圧±1[V]のサイン波/正弦波電圧
(2) 音声信号+直流電圧信号: VAF
ここでは、
音声周波数 1KHz, ピーク最大/最小電圧±100[mV]のサイン波/正弦波電圧
に、直流電圧 100[mV]を加算した信号を仮定した。
コンデンサ C5=1uF は、DSB変調動作時に、DC電圧をカットするためのもので、
(C5に並列にスイッチを入れると、AM変調/
スイッチオン:AM変調動作、スイッチオフ:DSB変調動作)
出力ポート:
(3) AM変調信号:DSB-OUT
リングモジュレータで近似的アナログ乗算を行った信号を、
の2次コイル側から取り出す。出力信号として、
2.3 ダイオードDBMのバランスの取り方
(1) R3=50Ω, R4=50Ωのどちらかを100Ω程度の半固定抵抗とする。
(2) C1=22pF, C2=
(3)音声信号端子の入力信号をオープン状態(
(4)5MHz 発振器の信号を注入する。
(5)これらの半固定抵抗と半固定コンデンサの値を調整し、
(6)音声信号端子 VAFに、DC電圧100m[V]を底上げ(加算)
(7)DSB-OUT端子の電圧をオシロスコープまたは、
3. 変調の品質と、スプリアスの計算評価
図3.1 リングモジュレータ低電力式AM変調器と過渡解析, |
図3.2 リングモジュレータ低電力式AM変調器と過渡解析, |
図3.1, 図3.2 に、リングモジュレータを使用した低電力式AM変調器を、
ここのFFT解析結果は、
5MHz AM変調波は、周波数5MHzのピークにその存在が見える。
リングモジュレータは、回路上では、
大部分のスプリアスは基本波に対し-
特に問題となるのが、
過去の製品回路実績、自作品実績でも、
図3.3 リングモジュレータ低電力式AM変調器の近傍周波数FFT解析結 |
図3.3は、
周波数近傍のスプリアスは少なく、
しかし、ところどころ、-
既に述べたように、これらのスプリアスは水晶フィルタで、
図3.4 リングモジュレータ低電力式AM変調器のキャリア周波数近傍のF |
図3.4 は、リングモジュレータを使用した低電力式AM変調器を、
キャリア周波数5MHzのピーク電圧の右側に、5.
4. リングモジュレータの動作条件等について
4.1 リングモジュレータに使用するダイオード特性の条件
リングモジュレータに使用するダイオードは、音声周波数~
この目的にあったものとして、
現在は、
シリコンダイオードは低周波領域での利得が下がるため、
4.2 リングモジュレータとでモジュレータの関係
図1~図3.4に示したリングモジュレータは、DSB-
5. まとめ
(1)ダイオード4本を使用したリングモジュレータは、
(2)そのスプリアスは多くないが、
(3)
(4)ダイオード4本を使用したリングモジュレータは、
(5)リングモジュレータは、DSB-OUT端子にAM変調/
付録:
A.製品実績
リングモジュレータは、世界中のヒット商品となった通信機 TS-520, TS-820, TS-830 (TRIO/Kenwood社)等で採用された。
これらの通信機では、リングモジュレータでDSB変調後、
日本国内では、AM変調送信機の自作品は、
この記事のリング変調器を使うだけで問題の解決が可能となる。
※※特記すべき注意情報※※
日本国内に拡散され、定着した常識
「リング変調器に直流を流すとバランスが崩れ、キャリア信号が出力される。」
・・・これは誤った理解による情報です。
正しくは、AM変調の電圧式 Vam(t)
Vam(t)={Vdc+x(t)}*sin(ωc(t)) ...式(1)
式(1)中の直流電圧 Vdc[V] をリング変調器へ与えることで、Vdc*sin(ωc(t))[V]のキャリア電圧信号が発生する・・・これが正確な理解です。
(大変困ったことに、思い込みにより広く広がった誤った常識が、無駄な時間とコストを発生させている例と思われます。)
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