2017年3月18日土曜日

ラダー型クリスタルフィルタ・セラミックフィルタの設計方法(暫定版)

ラダー型クリスタルフィルタ・セラミックフィルタの設計方法(暫定版)

ラダー型クリスタルフィルタ・セラミックフィルタは、現在でも多数の自作回路例が紹介されているが、その設計方法を説明している事例は非常に少ない。
目的の応用に合ったフィルタを作るにはその設計に歯が立たない、という課題がある。

ここでは、まだ完全な解決ではないが、アナログ式通信機・アナログ式ラジオ受信機に関し、目的の周波数帯域で同調し、目的のフィルタ減衰特性を持つラダー型クリスタルフィルタ・セラロックフィルタを思い通りに設計できるよう、その計算手順と、設計手順を明らかにすることを試みる。
(この設計手順書はその試みで現在は未完成です。) 
設計法は、文献[1]を参考にしました。

1. 設計例


(1) 455KHzバンド 帯域幅=4.2KHz (図1.1)

(2) 455KHzバンド 帯域幅=4.5KHz (図1.2)

図1.1 ラダー型クリスタルフィルタ・セラミックフィルタの設計 440KHz バンド幅=4.2KHz



図1.2 ラダー型クリスタルフィルタ・セラミックフィルタの設計 440KHz バンド幅=4.5KHz
2. 計算方法

(1)使用する水晶振動子・セラミック振動子の特性を知る。


例: (図2.1参照)

Xtal Y1 : 
Cs=19.3144pF, Ls=6.78802mH, Rs=10 ohm,
Cp=270pF

(2)同 水晶振動子・セラミック振動子の同調周波数を計算する。
Tuned on 439.55kHz

(3)バンド帯域幅を決める。


bw=4.5kHz

(3) R, C1, 2*C1の定数を次式により計算する。

C1={2*270p*(15.45k/bw - 1)} 


R={1/(2*pi*439.55k*C1)}

C2=2*C1


(4)ラダー型フィルタの回路構成を決定し、その周波数特性をspiceでシミュレーション計算する。
(図1.1, 図1.2参照)

(5)応用に合わせ、上記パラメータの最適値を計算する。



図2.1 使用する水晶振動子・セラミック振動子の特性 例


図2.2 計算例 1  ( 図1.1と対応)


図2.3 計算例 2  ( 図1.2と対応)

参考資料、参考記事
[1]「ベルが鳴る」さんのLTspice ラダー型クリスタルフィルタの設計
(Copyright by the author as respected knowledge)

付録:

A.TS-520X/D, TS-820X/D等、リング変調器を使ったSSB通信機では、6~8素子程度の水晶を一体化した水晶フィルタが一万円程度の高価な部品として製造・販売されていた。その後、数値演算式SSB変復調方式ではDSP信号処理によるFIR/IIRフィルタがソフトウェアで実現され時代の主流となっている。
一方、ホビー・ユーズでは、アナログ式通信機やラジオ受信機で、水晶振動子やセラミック振動子を複数使用したラダー型クリスタルフィルタ・セラミックフィルタが、現在でも根強い人気で利用されている。


0 件のコメント:

コメントを投稿

現在コメント機能に不具合が出ています。お手数ですみません。
メッセージは、メールでお送り願います。