1.1 方式の概要:
(1)受信したAM変調波からRC回路と74HCUゲート2個により局部発振器に似た動作で、発振信号を生成する機能を構成し、局部発振信号としてのクロック信号を生成する。
(2)アナログスイッチをミキサー回路として、クロック信号のスイッチング信号で入力信号ON/OFFして周波数変換を行う。キャリア波に同期する動作に近くなることを意図する近似的な同期プロダクト検波を実行する。
(3)プロダクト検波信号を、RC並列回路のLPFからベースバンド信号を取り出し受信する。
1.2 構成:
(1)AM変調信号源:
サイン波電圧源:V2,V3,V4と擬似アンテナ50オーム上に、TBSラジオ954KHz,ピーク電圧 キャリア10mV、変調波 USB 955KHz, LSB 953KHzとして、ベースバンド信号1KHz,変調率=40%のAM変調波を生成する。
(2)並列共振回路:
L1, C1, R1により並列共振回路を構成する。
同調周波数 f は、 f=1/(2π√(L1*C1)) =954KHz
Qは、Q=2πfL1/R1=59 とした。
(3)RF増幅回路:
74HCU04は、本来デジタル回路用NOTゲートの一種であるが、その構成上、フィードバック抵抗を使うと、利得のある小信号FETアンプとして代用できる。
ここではRFアンプを74HCU04 2段構成として利得を稼いでいる。
(4)ホモダイン検波回路:
ミキサー回路を74VHC4066アナログスイッチと、ホモダイン式局部発振回路(U3,U4)で構成する。
1.3 動作説明:
図1.1に受信動作を過度解析、FFT解析した結果を示す。
図1.1 ホモダイン式検波受信動作の過度解析、FFT解析結果 |
しかし、入力されるAM変調波の変調度が高いほど、SW-CTRL信号の信号レベルが減衰し、一定以上の変調度を越えると、SW-CTRL信号が0Vになる瞬間が繰り返される動作の特性がある。
このため、キャリアに同期した正常な局部発振電圧は生成できないという、方式上の基礎的課題が見られる。
検波信号DET-OUTの波形は、1KHzのサイン波に近似されたような形をしているが、受信信号波形は歪んでいる。
RF 2段目の出力 OUT2は、U3, U4のホモダイン検波用の擬似局部発振器の信号が漏れてフィードバックされ、受信ラジオの変調信号OUT2に歪みが加わってしまう。
図1.2 ホモダイン式検波受信動作の過度解析結果(時間軸拡大) |
図1.2に図1.1の時間軸を拡大した過渡解析結果を示す。
高周波増幅されたAM電波のキャリア信号に同期するが如く、細かく高い周波数歪み成分を含んだ SW-CTRL信号が見られる。
利点:
放送局の変調度が低ければ、一般のAM放送局が一応は受信できる。
ホモダイン検波は、非常に変わった検波方式で、市販製品も無く、自作したらどのような奇妙な音が聞こえるのか謎の雰囲気があり、好奇心を誘う。謎めいたUFOのような魅力がある。
課題:
ホモダイン検波では、受信電波の変調率が一定上高くなると、74HC04(U3,U4)による局部発振電圧としてのクロック信号が生成されなくなるので、適正なプロダクト検波動作ができなくなる。その結果、AM検波動作ができなくなる問題がある。
また検波信号の歪みが少ないとは言えず、受信音は、もしかしたら、良い音質は期待できないかもしれない。
ホモダイン検波方式では、キャリア同期に近いような歪みを含む局部発振信号電圧が見られるが、局部発振器が同期に近い動作はしても、音質はなんらかの歪んだ音質になる、と予測計算された。(図1.1の歪んだ検波信号波形を参照)
AGCが無いので、夜間の遠距離の電離層反射した放送局の受信時に、受信信号が強くなったり弱くなったりするフェージング現象を軽減できない。
高周波増幅されたAM電波のキャリア信号に同期するが如く、細かく高い周波数歪み成分を含んだ SW-CTRL信号が見られる。
利点:
放送局の変調度が低ければ、一般のAM放送局が一応は受信できる。
ホモダイン検波は、非常に変わった検波方式で、市販製品も無く、自作したらどのような奇妙な音が聞こえるのか謎の雰囲気があり、好奇心を誘う。謎めいたUFOのような魅力がある。
課題:
ホモダイン検波では、受信電波の変調率が一定上高くなると、74HC04(U3,U4)による局部発振電圧としてのクロック信号が生成されなくなるので、適正なプロダクト検波動作ができなくなる。その結果、AM検波動作ができなくなる問題がある。
また検波信号の歪みが少ないとは言えず、受信音は、もしかしたら、良い音質は期待できないかもしれない。
ホモダイン検波方式では、キャリア同期に近いような歪みを含む局部発振信号電圧が見られるが、局部発振器が同期に近い動作はしても、音質はなんらかの歪んだ音質になる、と予測計算された。(図1.1の歪んだ検波信号波形を参照)
AGCが無いので、夜間の遠距離の電離層反射した放送局の受信時に、受信信号が強くなったり弱くなったりするフェージング現象を軽減できない。
2. 引き込み線式同期検波74HCU04ラジオ
2.1 方式の概要:
2.1 方式の概要:
引き込み線式同期検波は、水晶(またはセラミック)局部発振器の発振開始をキックする信号として、受信波のキャリア信号を利用し、そのキャリア信号に同期した局部発振電圧を発生させて、同期検波に近い動作をさせたいという意図が見られる。
2.2 動作説明:
図2.参照。
図2 引き込み線式同期検波回路の過渡解析とFFT解析結果 |
利点:
引き込み線同期検波の回路構成は、ラジオの中間周波増幅段から、周波数が一定(455KHzが多い。ここでは水晶振動子のモデルの都合で中間周波数1MHzで計算した。)
引き込み線同期検波の回路構成は、ラジオの中間周波増幅段から、周波数が一定(455KHzが多い。ここでは水晶振動子のモデルの都合で中間周波数1MHzで計算した。)
中間周波信号を取りやすい構成となっている。
局部発振信号が、受信し増幅されたAM変調成分で変調されて歪むので、その結果、検波出力にも歪みが現れ、この歪みを避けられないが、放送局の受信音は、そこそこの音質で鳴りそうに予測計算された。(図2.参照)
この引き込み線同期検波方式では、局部発振信号が、受信AM変調成分で変調されて歪むため、原理的に歪みの無い同期検波はできないが、どの程度歪んだ音が出るのか、あるいはどの程度歪まない音が出るのか謎であるため、そうした謎への好奇心が、このラジオがどのように聞こえるか試してみたいという魅力に感じる。
課題:
局部発振器の発振開始のキック信号を受信中のAM信号で生成しているが、局部発振信号が、AM変調成分で変調されて歪むので、その結果、検波出力にも歪みが現れる。
回路の設計思想には、局部発振周波数と、受信するAM信号のキャリアを同期させたい、という意図は見られるが、この回路構成では、原理的に、同期検波は無理そうである。
AGCが無いので、夜間の遠距離の電離層反射した放送局の受信時に、受信信号が強くなったり弱くなったりするフェージング現象を軽減できない。
局部発振信号が、受信し増幅されたAM変調成分で変調されて歪むので、その結果、検波出力にも歪みが現れ、この歪みを避けられないが、放送局の受信音は、そこそこの音質で鳴りそうに予測計算された。(図2.参照)
この引き込み線同期検波方式では、局部発振信号が、受信AM変調成分で変調されて歪むため、原理的に歪みの無い同期検波はできないが、どの程度歪んだ音が出るのか、あるいはどの程度歪まない音が出るのか謎であるため、そうした謎への好奇心が、このラジオがどのように聞こえるか試してみたいという魅力に感じる。
課題:
局部発振器の発振開始のキック信号を受信中のAM信号で生成しているが、局部発振信号が、AM変調成分で変調されて歪むので、その結果、検波出力にも歪みが現れる。
回路の設計思想には、局部発振周波数と、受信するAM信号のキャリアを同期させたい、という意図は見られるが、この回路構成では、原理的に、同期検波は無理そうである。
AGCが無いので、夜間の遠距離の電離層反射した放送局の受信時に、受信信号が強くなったり弱くなったりするフェージング現象を軽減できない。
3. クロック局部発振波を利用したプロダクト検波74HCU04ラジオ
3.1 方式の概要:
引き込み線式同期検波回路から、同期用キック信号発生部を除いた。
キャリア信号と同じ周波数で、位相合わせのないクロック信号で、プロダクト検波を行わせたいとする方式。
3.2 動作説明:
図3.参照。
図3. クロック局部発振波を利用したプロダクト検波回路の過渡解析,FFT解析 |
利点:
得に利点は見当たらないが、この計算結果だけで、このラジオが聞こえない、とは断言できない謎があり、その謎が魅力になっている。
課題:
なんらかの不明な原因で、このシミュレーション条件では、正常に検波ができていない。
得に利点は見当たらないが、この計算結果だけで、このラジオが聞こえない、とは断言できない謎があり、その謎が魅力になっている。
課題:
なんらかの不明な原因で、このシミュレーション条件では、正常に検波ができていない。
4. ストレート式RF増幅ダイオード検波74HCU04ラジオ
4.1 方式の概要:
4.1 方式の概要:
74HCU04 2段のRF増幅回路の後に、ダイオード2本により構成された「倍電圧検波回路」と、(事実と異なる)「言い伝え」として信じられているダイオード検波回路で構成される。
安価な市販ラジオと同等の標準的音質で、高感度でも、混信には弱いラジオになると予測計算された。
4.2 動作説明:
図4.1, 図4.2参照。
図4.1 ストレート式RF増幅ダイオード検波 過渡解析,FFT解析結果 |
図4.1 ストレート式RF増幅ダイオード検波 AC解析結果 |
利点:
簡単な構成で、感度と再現性が良く、作りやすい、確実に正常に動作できる、素直なラジオ構成になっている。教材としても使いやすい。
課題:
同調回路が一個しかないので、混信に弱いと思われる。
ダイオード2本により構成された「倍電圧検波回路」は、2倍の電圧利得は得られない事実が過去の実験で既に知られているが、spice以外の数学的アプローチで、数学の計算式でこの倍電圧にはならない「倍電圧検波回路」の検波動作を説明できる理論は現在でも確立できていないと思われる。
ネット記事を検索すると、「倍電圧検波回路」では、ダイオード一本の検波回路に対し、2倍の検波電圧が得られるという過去の(事実と異なる)「言い伝え」を現在でも信じている人が多いことが良くわかる。
AGCが無いので、夜間の遠距離の電離層反射した放送局の受信時に、受信信号が強くなったり弱くなったりするフェージング現象を軽減できない。
参考記事:
「デジタルICで作るラジオ」 (Copyright by the author as respected knowledge)
関連文書:
本ブログの同期検波に関わる記事
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