LM-386は高音質を要求されないラジオ等の用途が向いていると思います。
(音楽プレーヤ、スマートフォンなどの高音質アンプは、現在デジタルアンプが主流になっているようです。)
600mWのオーディオパワーアンプがIC一個だけで出来るお手軽な用途、マイコン制御が不要なので、アナログ回路実験用にも向いていると思います。
図1. LM386低周波パワーアンプの過渡解析結果 |
アンプ前段で、ラジオの検波段の高周波成分を切らないと、ラジオではビート音が聞こえたり、耳に聞こえない高い周波数成分の増幅に、ICの消費電力が無駄に消費されてしまうことが考えられます。
FFT解析には高調波成分が見えますが、簡易用途には問題ないレベルです。
(高音質オーディオ用途には要求仕様上の課題があるかもしれません。)
このLM386モデルは, US. Yahoo.com LTspice Groupにあるものを使用しました。
このモデルでは、3V〜6Vの低電圧動作は対応していないので、9〜12Vの電源電圧で使用しています。
図2. LM386低周波パワーアンプのAC解析結果 |
図2.は、図1.のAC解析結果。
C6=10uF コンデンサを追加することで、利得がブーストされ十分な音量でスピーカ(8Ωマグネットコイル型)から鳴らすことができます。
コンデンサ 10uFの追加で利得は大きくなる一方で、100Hz以下の重低音の利得が落ちてしまいます。
この特性は返って、ラジオや通信機用途では、高音に張りがある聞きとり易い音、了解度が良いになります。
(こうした通信機器の用途では、男性の低い太い音声が聞きとりにくい音に聞こえ、女性の高い声が聞きやすい音に聞こえます。)
図2. LM386低周波パワーアンプのAC解析結果 (ブースト用10uF無し) |
図2.は、利得ブースト用コンデンサ 10uFを除き、かつ入力のLPFを除いたものです。
利得はかなり下がりますが、音声周波数帯を低域から高域までフラットな利得と位相特性で増幅できます。
音質はこちらのほうが良いようですが、ラジオ用途には向かない特性かもしれません。
図3. LM386低周波パワーアンプの過渡解析結果 (ブースト用10uF無し) |
図3.は、図2.の利得ブースト用コンデンサ 10uFを除いたLM356アンプの増幅の様子を見たものです。
高調波成分が見えますが、実際に聞く音質は、そこそこ良い音になります。
ただし、近年の音楽プレーヤやスマートフォン、パソコン内蔵のアンプには、音質では勝負にならず、完敗するかもしれません。
課題:
(1)無信号時に「シャー」というノイズが小さく聞こえます。
(ラジオ用途では入力信号のノイズレベルが高いので全く問題ありません。)
(2)電源ON時に、「ボッコ」という音が鳴ってしまいます。
通信機では送信動作時にミュートする工夫を入れると良いと思います。
(ポップ音を抑制する回路例があります。)
(3)古い型のLM386は3〜5V低電圧で動作できないので最新型番LM386-4等に交替が必要。
こうした課題もありますが、簡易用用途には便利で使いやすいICと思います。
日本国内では、既に3〜5V低電圧動作の、他のオーディオパワーアンプICが出ており、代替部品として使える状態です。
高調波成分が見えますが、実際に聞く音質は、そこそこ良い音になります。
ただし、近年の音楽プレーヤやスマートフォン、パソコン内蔵のアンプには、音質では勝負にならず、完敗するかもしれません。
課題:
(1)無信号時に「シャー」というノイズが小さく聞こえます。
(ラジオ用途では入力信号のノイズレベルが高いので全く問題ありません。)
(2)電源ON時に、「ボッコ」という音が鳴ってしまいます。
通信機では送信動作時にミュートする工夫を入れると良いと思います。
(ポップ音を抑制する回路例があります。)
(3)古い型のLM386は3〜5V低電圧で動作できないので最新型番LM386-4等に交替が必要。
こうした課題もありますが、簡易用用途には便利で使いやすいICと思います。
日本国内では、既に3〜5V低電圧動作の、他のオーディオパワーアンプICが出ており、代替部品として使える状態です。
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