図1. ギルバートセル乗算器によるラジオ受信機用周波数混合器の過渡解析+高帯域FFT解析 |
図2. 変換されたIF周波数帯域455KHz近傍のスプクトラム解析したFFT結果から、AM変調波が大変きれいに歪みなく周波数変換されていることがわかる。
図2. ギルバートセル乗算器によるラジオ受信機用周波数混合器の過渡解析 +IF 455KHz近辺FFT解析 |
しかしながら重大な課題もあることが判明した。
この回路には、入力RF信号のダイナミックレンジが狭くなる特性がある。
本回路では電源電圧6Vと大きく振幅のスイングがとれるように考慮したが、それでもOSC 1.0Vピーク電圧を与えると、出力される波形には、細かいスプリアス信号が現れる。
このままの回路でラジオや通信機に使うのは難しいかもしれない。
Power トランジスタで直線性の良いものがあれば良いが、現在のところそのようなトランジスタがあるかどうかは不明。
市販のアナログ乗算器ICはほぼ生産中止で、かつ扱える周波数が低く、ラジオのような高周波用途のものは現在でも無いと思う。
別の記事にも書いたように、OPアンプは理想的な直線性をもつが、差動型電圧リニアアンプなので、原理的にアナログ乗算器は実現できない。必然的にOPアンプではAM変調回路も実現できない。
通信機では4本並列させたFETによる周波数混合器を用い、ダイナミックレンジを広くとる設計が見られる。
僕が別記事に示したオリジナル設計のアナログ・スイッチを使ったDBMや、ダイオード式リングDBMミキサーは、ダイナミックレンジが広く、RF段、OSC回路、IF回路の各回路間の結合を疎にして、回路全体が安定して動作させやすいという大きなメリットがあるのもわかった。
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