2017年2月21日火曜日

N-MOS FET , JFETの特性の調べ方、選択方法 ( LTspice 対応)

課題:

設計過程:

(1)LTspiceでJFET, NチャネルMOSFETを選択するとそれらの一覧表が表示される
しかし、多数の知らない名前のFETばかりで、どれを選んだら良いかわからない。
このため、FETを使用する回路設計が先に進めない。

技術的課題:
(2)Vth(バイアス電圧)をいいかげんな暫定的な値に設定すると、ACゲインがマイナスの利得となり、増幅が起こらない。

(3)JFETを選択、ゲート抵抗を1MΩなどの大きな値でGNDに落とすか、または、ネット情報のバイアス電圧をVcc/Vdd電圧を分圧して与えると、増幅せずに減衰するアッテネータ動作か、利得がとれても数dBと大変小さくなることが多い。

原因:
・どのFETがどの周波数まで、どのくらいのゲインで使えるか情報がない。
・FETのVth(ゲートバイアス電圧)は、デバイス毎にばらばらで一定でない。
・JFETはVgs=マイナス電圧側から0V中心にIds電流変化領域があるものが多い。
 Vgs=0VまたはVgs≒0Vのプラス電圧では利得は小さいか、利得は0になる。
・MOSFET N-channel は、Vgs >0 正電圧にバイアス電圧をとるが、このVthに達していないと、増幅は起こらず、
 利得はマイナスになる。(AC解析をすると、利得がマイナスになる。)

0. FET選択の選択/判別のノウハウ:

    次の基準を目安にLTspiceのFET選択画面から使えそうな小信号用FETを選ぶ。

・Rds(ドレイン-ソース間ON抵抗)が1000mΩより大きいものが、小信号増幅用FETである。
・Rdsが数mΩと小さいものは、大電流スイッチング用である。
・Rdsが大きいほど利得は40dB程度と、AF領域で大きくなる。
・周波数が高くても使えるFETは、Cgsが10nC未満のゲート~ソース間容量が小さいものが良い。

1. DC解析によるデバイス特性の把握手順

VDS= 最大Vds/2 とする。

RL = 10K,5k,2k,1k,500,200,100,50,20,10 と負荷抵抗を

.step param list RL 0K,5k,2k,1k,500,200,100,50,20,10

で、

.DC 0V 5V 

でDC解析し、Idsが立ち上がり始めるVth電圧、Vth電圧範囲を見つける。

2. AC解析による周波数特性(周波数:利得)の把握

#1で求めたVth電圧を、ソース入力電圧のオフセットバイアス電圧に設定し、

.ac dec 100 1 200Meg

周波数利得の変化を知る。

3. 調査したFETの特性を一覧表として作成する。(図1.)


図1. N-MOS FET特性の調査(一例:ここでは一部データに限定)

関連文書:

小信号・高周波/RF JFETアンプの設計法を探る(2SK241,2SK192対応)




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