2016年12月18日日曜日

2個のLC共振回路を使ったFM復調回路(仮名称:2列LC同調型FM検波回路)復調性能の検討

FMラジオ受信機の中間周波数帯域として使われている10.7[MHz] FM復調回路について、10.7[MHz]を中心周波数と見て、その下と上の周波数に同調するLC共振回路を持たせて、その周波数間のF/V変換器の利得特性を直線関数で表現できるFM復調回路の動作を検討してみました。

ここでは、本FM検波回路の名称を、仮名称:「2列LC同調型FM検波回路」と記述します。
この回路は、インターネット上の「アナログ回路 電子教科書」を参考にしています。[1]

図1.1 は、中心周波数10.7[MHz], ベースバンド周波数1[KHz],振幅電圧±5[V]のFM変調波の変調帯域±75[KHz](全体域150[KHz])を、「2列LC同調型FM検波回路」により、復調された信号、送信されたFM変調波、ベースバンド信号波1[KHz],振幅±1[V]を並べて表示したものです。

一見すると、ベースバンド信号の低周波1[KHz]が、綺麗なサイン波で振幅電圧0〜40[mV]で復調されています。

図1. 1 過渡解析結果(1)


図1. 2 過渡解析結果(2)  FFT周波数軸拡大


図1.2は、図1.1のFFTスペクトラム解析の周波数軸を拡大して10.7[MHz]近辺のFM変調波の電圧分布状態を見たものです。

青色の台形に周波数上端と下端では電圧分布が均一でなくムラが見られます


図2.1 AC解析結果(1) 5[MHz]〜30[MHz] F/V変換特性


図2.1 は、「2列LC同調型FM検波回路」の周波数:利得と、周波数:位相についてのAC解析結果です。

目標は、2個のLC同調回路で、利得の山と谷を作り、中心周波数10.7[MHz]を中心に、その山〜谷間を、直線関数で結ぼうとしました。

しかし、3個のコイルの相互関係がそれぞれが影響を及ぼし合い、周波数の調整が大変難しいものになり、現在、山谷が複雑な形状になってしまっています。
これではNGです。


図2.2 AC解析結果(2) 中心周波数10.7[MHz]近傍のF/V変換特性

図2.1について、一番かなめである中心周波数10.7[MHz]近傍の電圧値と位相値を拡大してみました。
周波数軸は対数表示でなくリニア表示にしてあります。
これでは期待値ではなくNGです。

現在のところ「2列LC同調型FM検波回路」は、このブログにある「フォスター・シーレ式検波」方式や「レシオ検波」より、F/V変換特性を目標に近づけるのが困難な回路特性である感じがしています。

参考記事[1]の図9.14のF/V変換特性を得るには、図9.13の”出力”の中央端子をグランドに変更し、f1側のダイオードをLC共振回路の上に移動し、f2側のダイオードを逆方向にして、LC共振回路の下に移動する回路変更で、期待するF/V変換動作が得られるかも?

(現在、調整方法は不明であるためか、試行錯誤になるやっかいさがある印象です。
僕が知らないだけかもしれません。)


参考文献:
[1] 記事で参照/引用しているFM復調回路 インターネット上から取得しました。


履歴:
Rev. 0.1 : 参考記事[1]を追加、回路変更方針を追記。2020/09/21 

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