2016年12月17日土曜日

IQ直交復調器を使ったAM変調電波の復調(SDR用) ダイレクトコンバージョン式

図1.にキャリア周波数 5[MHz]とするベースバンド信号1[KHz]、変調度100%の信号をIQ復調回路で,(I,Q)複素数信号へ変換したシミレーション実験結果を示す。

AM復調の初歩的な計算では、キャリア電波の位相に対し、90度位相づれしたQ信号は0[V]になるが、シミュレーション結果は、回路内の位相ずれ計算も考慮されており、より高精度の計算結果となり、Q信号は0[V]にならないのが分かった。

この結果から、RF入力段の同調回路またはBPF回路は、受信周波数範囲で位相が平坦になるようにQを下げる等の設計上の改善が望ましいことが判明した。

計算上は、(I,Q)複素数信号をA/Dコンバータで数値変換後、Vo(t)=√(I^2+Q^2)の演算し、D/Aコンバータでアナログ信号に戻せば、AM同期検波ができる。

受信するRF信号の時間的位相変化による信号のフェーディング現象を気にしなければ、(I,Q)複素数信号のどちらか一方だけをアナログアンプに入力しても、プロダクト検波動作として、このままでもAM復調は可能である。

FFT結果の示すように、ダイオード検波で見られた復調信号の高調波成分が無くなり、音質はかなり改善が期待できる。

SSBの実受信実験では、市販の無線機よりも綺麗な音質で、パソコンのスピーカから聞こえた。
(ソフトはPowerSDR (C) Flex Radio inc.)を使用)

図1. 5[MHz] AM変調波を復調した(I,Q)複素数信号シミレーション実験結果

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