2015年9月27日日曜日

スイッチングダイオードの高周波高速スイッチング動作 評価・シミュレーション実験

(1)An attempt to simulate RF diode switch RF signal passed trough but Audio signal in the negative. 
Used LTspice IV (by Linear Technology corp.) Mar. 28, 2015



(2)スイッチングダイオードOFF時の過渡解析



スイッチングダイオード1N4148にバイアス電圧0VでダイオードをOFFして、グランドへ入力信号2mVpepを逃がすと、出力にはほどんど出力は出てこない。
しかし、僅かな電圧の漏れ 42microVpep の微小出力が見られる。


(3)スイッチングダイオードON時の過渡解析



スイッチングダイオード1N4148にバイアス電圧5VでダイオードをONすると、入力信号2mVpepは、1N4148通過時に殆どロスなく、出力に2mVpepの信号が出力される。

中学までの教育で習う整流回路の理解では、この高周波領域の周波数の交流2mVpepをダイオードスイッチング回路がロスなく通過できることを説明できない

中学までの教育ではダイオードは直流動作で一方通行で、逆接続では電流が殆ど流れないと教わる。しかし、ダイオードに直流バイアス電圧が加わった時の高周波周波数領域の高周波電流特性については何も教わらない。
このため、高周波周波数領域では高周波電流がダイオードをほぼ貫通する高周波特性の理解を妨げてしまうと考えられる。
教育の内容では、交流がダイオードを通過すると半波整流された脈流の電圧波形になってしまうが、困ったことに、RFスイッチ回路ではそのような半波整流動作はおこらない。

高校物理では、直流として流れる電子の速度は大変遅く、ゆっくり移動していることを習う。
交流や高周波での電圧の伝わる速度は、こうした電子のゆっくりした流れの往復では説明できず、導体、半導体を伝わる電磁波の波として理解する必要がありそうに思える。
すなわち、高い周波数では電子は見動きできないほどおおまかには光速に近い電磁波の波が伝わることが、おそらく200年前の19世紀には知られていたと思われる。(UKのマックスウェルさん)

ゆっくりと流れる川に高速の石を投げ込むと、波が発生し、波紋が広がる。もしこの波紋の波より水の流れが速ければ、波の模様=波紋は起きないかもしれない。
波の速さが川の水の流れよりずっと速いために、波紋ができるように思える。

似たようなことは空気中でも起こっていて、空気の粒は風で流されるが、それはゆっくりで、音速は風よりもずっと速い。
飛行機は空気を押し出して進むが、音速を超える瞬間に衝撃波が発生する。

同じように、電圧の波の速度が、電子の速度を超える瞬間には、何かの衝撃波が起こるのだろうか?(新たなる謎が生まれた。)



(4)ダイオードスイッチのAC解析

スイッチングダイオード1N4148では、100KHz以上の電波領域の周波数の交流を殆どロスなく通過させ、一方、周波数が低くなるほど利得は減少し、音声領域の低周波はロスが大きく低周波電圧波は通過できない特性が見られる。
RFスイッチとしては通信機に採用されているのはこうしたダイオード交流特性が実用になるからそうなっているのに、この物性も良く知られていないと思われる。

比較的近年になって、この音声低周波領域での利得減少を改善し、歪みを少なくする”オーディオセレクタ”と命名されたデバイス(2009年製品化)が出ているが、これもあまり知られていないと思わわれる。



(5)スイッチングダイオードを簡易アナログ・スイッチとして使う試みは・・・


An attempt to emulate “Diode analog switch”.
RF OSC switching signal leaks to Output. It is impossible to use it. 
Used LTspice IV (by Linear Technology corp.) Mar. 28, 2015

高速スイッチングでは、この簡易アナログ・スイッチはOSC電圧からの漏れが多く、全く実用にならない
この特性も良く知られていないと思われる。
従来のアナログスイッチをスイッチングダイオードで構成することは、現時点では(少なくともこの回路では)出来ない。

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