2015年9月4日金曜日

AM変調波を復調する時に発生する復調信号の歪みとその低減化対策(変調側波帯周波数間の干渉波歪み低減方法)

Noboru , Ji1NZL

通常のAM変調波(LSB+キャリア+USB)を受信するとき、AM復調回路で、復調信号に2倍、4倍といった高調波の歪みが発生していることが分かりました。
以下の図は、その歪みの様子を、過渡現象、FFTで解析したものです。


このように、ダイオード検波回路、理想ダイオード検波回路のどちらにも、復調信号に、2倍、4倍といった高調波の歪みが発生しています。

この歪みの原因は、USB信号、LSB信号の周波数成分の差分が、検波回路内で近似的乗算動作により発生するというものです。
(より正確に言えば、ダイオード電流 i の指数関数特性である、
 i=Is{exp(kV)-1}  の電流値をテイラー展開したところの、二次、三次、・・・N次の式中で、二次式の成分が検波信号の基本周波数で、三次式以降が歪みの成分と計算されます。)

この考え方が正しいかどうか、AM変調波(LSB+キャリア+USB)から、LSB成分を除いた送信波を作り出し、歪みが低減するかどうか、確認してみました。


その結果、AM変調波(LSB+キャリア+USB)から、LSB成分を除いた送信波を受信した場合は、そうした信号波の偶数倍の高調波成分の歪みが低減しました。


通常のAM変調波(LSB+キャリア+USB)を受信した場合と、AM変調波(LSB+キャリア+USB)からLSB成分を除いた送信波を受信した場合の復調信号の周波数成分を、FFTで比較しました。
後者のほうが、歪みが少なくなっています

このことから、送信局は、こうした歪みの発生を防ぐには、あらかじめ片側の側波帯を除去して送信するか、または、受信ラジオ側で、片側の側波帯を検波に含めないような復調方式をとることで、こうした偶数倍高調波の歪みを低減できることが判明しました


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